クリーンエアブロー装置・エアナイフとは?仕組み・用途・種類・メーカーをわかりやすく解説

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クリーンエアブロー装置やエアナイフは、圧縮空気を高速・均一に噴出し、製品や部品の表面に付着した水分・粉塵・油分を除去する装置です。

乾燥・冷却・除塵・静電除去など、多様な工程で利用されています。

この記事では、エアナイフの仕組み・種類・用途・代表メーカーをわかりやすく解説します。




クリーンエアブロー装置・エアナイフとは?(基礎知識)

エアナイフ(Air Knife)は、ナイフ状のスリットノズルから圧縮空気を均一に吹き出す装置です。

製品表面の水分や粉塵を吹き飛ばしたり、乾燥・冷却を行ったりする際に使用されます。

エアブローガンやノズルに比べて、広範囲を均一に処理できるのが特徴です。

また、クリーンルームや電子部品製造現場では、HEPAフィルターを通した清浄な空気を吹き出す「クリーンエアブロー装置」として使用されます。

構造と仕組み

基本構造は以下の要素から成り立っています。

  • スリットノズル:ナイフ状の開口から空気を均一に噴出。
  • エアマニホールド:圧縮空気を均等に分配する内部流路。
  • 調圧弁・流量制御弁:風量・圧力を制御。
  • フィルター:清浄なエア供給のための粒子除去。
  • イオナイザー(静電除去タイプ):静電気を除去し、異物付着を防止。

コンプレッサ → エアドライヤ → フィルター → エアナイフ という構成で、清浄で乾燥したエアを安定して供給します。

エアナイフの種類

① 標準タイプ(アルミ・ステンレス製)

最も一般的なタイプで、乾燥・除塵・冷却に幅広く使用されます。
アルミ製は軽量でコスト重視、ステンレス製は耐食性・クリーン用途に適しています。

② クリーンルーム対応タイプ

HEPA・ULPAフィルターを通した清浄エアを供給し、異物の再付着を防ぐタイプ。
電子部品・医薬・光学製品の除塵工程に使用されます。

③ 静電除去タイプ(イオンエアナイフ)

イオナイザーを内蔵し、エアブローと同時に静電気を中和。
フィルム・樹脂・基板などへのゴミ付着を防ぎます。

④ ブロワ駆動タイプ(ファンエアナイフ)

圧縮空気ではなくブロワ風を利用するタイプ。
エネルギーコストが低く、大風量が必要な乾燥ラインに適しています。

用途

  • 製品・部品表面の乾燥、洗浄後の水切り
  • 塗装・印刷前の粉塵除去
  • 搬送中の冷却・除塵
  • フィルム・基板・ガラスの静電除去
  • クリーンルーム内の異物除去、エアカーテン形成

選定のポイント

  • 吹き出し幅(mm)と風速(m/s)
  • 必要風量・圧力(MPa)
  • 使用空気の清浄度(クリーンエア・一般エア)
  • 材質(アルミ・ステンレス・樹脂)
  • 静電除去・防塵対応の有無

主なメーカーと特徴

近藤製作所株式会社(KONDO)

精密エアナイフ専門メーカー。静電除去・クリーンルーム対応製品に強み。
公式サイトはこちら

日本精器株式会社(NIPPON SEIKI)

エアナイフ・エアブロー装置を多数展開。省エネノズル・高効率設計が特徴。
公式サイトはこちら

CKD株式会社

FAライン向けのエア制御技術を活かし、クリーンブロー装置を展開。エア供給ラインとの一体制御に優れる。
公式サイトはこちら

SMC株式会社

静電除去機能付きイオナイザーエアナイフを展開。電子部品・半導体・樹脂フィルム工程で採用多数。
公式サイトはこちら

シュマルツ株式会社(SCHMALZ)

真空・空圧技術を応用したエアナイフ・ブロー装置を展開。欧州系製造ラインでの採用が多い。
公式サイトはこちら

メーカー比較表

メーカー 主力製品 特徴 主な用途
近藤製作所 KNA・KCAシリーズ 静電除去・クリーン対応 電子部品・光学製品
日本精器 ENシリーズ 省エネ・高効率設計 汎用乾燥・除塵
CKD AB・CBAシリーズ FAライン制御連携 自動機・搬送設備
SMC IZG・IZDシリーズ イオナイザー内蔵・静電除去 電子・半導体工程
シュマルツ Air Knife System 高耐久・真空技術応用 欧州系FA装置

購入先・通販サイト

Q&A

Q. エアナイフとエアノズルの違いは?

A. エアノズルは点的な吹き出しに対し、エアナイフはナイフ状スリットで面全体に均一な風を供給します。
広範囲の乾燥や除塵に向いています。

Q. クリーンエアブロー装置は通常の圧縮空気と何が違う?

A. HEPAフィルターやドライヤを通した清浄空気を使用するため、異物混入や水分再付着を防止します。

Q. 静電除去タイプのメリットは?

A. ブロー時の帯電防止により、粉塵やフィルムの再付着を防ぎ、品質不良を防止できます。

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