
シュリンク包装機(Shrink Wrapper)は、熱で収縮するフィルムを製品に密着させ、外装を保護する包装装置です。
外観保護・防塵・防湿に優れ、食品・日用品・医薬品など多様な分野で使用されています。
本記事では、シュリンク包装機の仕組みや種類、主要メーカーをわかりやすく解説します。
シュリンク包装機とは(基礎知識)
シュリンク包装とは、熱で収縮する専用フィルム(シュリンクフィルム)で製品を包み、加熱して密着させる包装方式です。
製品を固定しつつ、美観を高め、防塵・防湿・改ざん防止を目的として利用されます。
フィルムの透明性が高く、店頭陳列・セット商品の包装にも最適です。
主な用途
- 食品(ボトル飲料・惣菜トレイ・菓子箱など)の外装包装
- 化粧品・医薬品・衛生用品の個包装・セット包装
- 電子機器・家電製品の保護包装
- カタログ・雑誌・書籍などの防塵包装
導入メリット
- 見栄えの良い透明包装が可能
- 防塵・防湿・改ざん防止効果
- セット品のまとめ包装に最適
- フィルムが軽量で資材コストが低い
種類と仕組み
① L型シーラー+トンネル式
最も一般的な方式で、L字状のヒーターでフィルムを溶着・カットし、熱風トンネルで加熱収縮させます。自動・半自動タイプがあり、食品や日用品包装に広く使用されています。
② シュリンクトンネル式
既に封をした製品を連続的に加熱トンネルに通過させる方式。ラインに組み込みやすく、高速生産に適します。
③ スリーブ(帯状)包装機
ボトルや缶に帯状フィルムを掛け、熱で収縮させるタイプ。多缶パックやラベル保護用途で用いられます。
④ チャンバー(ドーム)式
小規模店舗や少量生産向けの簡易型。透明ドーム内でシールと加熱を同時に行い、省スペースで使えるのが特長です。
基本構成
- フィルム供給ユニット
- シーラー(L型/直線型)
- 加熱トンネル・ヒーター
- 搬送コンベヤ・排出部
- 操作盤・安全カバー
主要メーカーと特徴
メーカー名 | 特徴 | 公式サイト |
---|---|---|
川島製作所 | 国内包装機器大手。食品・医薬・化粧品向けの高性能L型シーラーを展開。 | 公式サイト |
ストラパック(Strapack) | 汎用包装機メーカー。小型・半自動タイプを中心にラインナップ。 | 公式サイト |
東京自働機械製作所 | 省スペース設計・高速トンネル式装置に強み。 | 公式サイト |
パックエース | 小型・店舗向け包装機を多数展開。メンテナンス性に優れる。 | 公式サイト |
FUJI機械製造 | 自動包装機大手。連続式包装ラインとシュリンク統合設備を開発。 | 公式サイト |
方式別の比較
方式 | 特徴 | 主な用途 | 費用目安 |
---|---|---|---|
L型シーラー+トンネル | 汎用性が高く、食品・日用品に最適 | 食品・化粧品・雑貨 | 100〜400万円 |
スリーブ式 | ボトル・缶の帯包装に最適 | 飲料・化粧品・ラベル保護 | 50〜250万円 |
チャンバー式 | 小型・省スペース。店舗向け | 少量生産・小規模包装 | 20〜100万円 |
トンネル式(連続加熱) | 自動ライン連携・高速処理対応 | 大量生産ライン | 300万円〜 |
導入時のポイント
- 製品サイズ・フィルム材質に合わせた加熱温度・速度設定を行う
- フィルムの厚み・収縮率を確認する(一般的に15〜25μm)
- 包装後の冷却時間を確保して形状を安定させる
- 電源容量・排気設備(熱風処理)を事前確認する
購入・導入の参考
シュリンク包装機は、生産量と製品形状に応じて最適なタイプを選ぶことが重要です。試作・検証段階ではチャンバー式や半自動型が便利で、量産ラインには全自動トンネル式が採用されます。主要メーカー製の機器は通販でも比較可能です。
参考購入リンク
Q&A
Q. シュリンク包装とストレッチ包装の違いは?
A. シュリンク包装は熱で収縮させて「密着包装」する方式、ストレッチ包装は伸縮フィルムを「巻き付け固定」する方式です。前者は小物包装・美観重視、後者はパレット単位の輸送用に適します。
Q. フィルムの種類は?
A. 主にポリオレフィン(POF)、塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)など。POFは透明度・環境対応性が高く、食品包装にも使用されます。
Q. 小規模現場にも導入できますか?
A. はい。チャンバー式や簡易トンネル式であれば100V電源で使用でき、店舗や研究施設でも導入可能です。