
点検ツールカート(メンテナンスワゴン)は、工場や設備の点検・保守作業で工具や計測器を効率的に運搬・整理するための台車です。
本記事では、現場での使いやすさを左右する構造や種類、メーカーごとの特徴をわかりやすく解説します。
点検ツールカートとは?
メンテナンスワゴンは、工具・計測器・点検用備品を整理しながら移動できる作業用カートです。
工具の持ち運び効率を高め、現場作業の時間短縮・安全性向上に貢献します。
主な用途
- 工場内の設備点検・メンテナンス作業
- 工具・消耗品の運搬・保管
- ライン設備の定期巡回点検
- 検査計測器やタブレットの移動
メンテナンスワゴンの種類
① 標準タイプ(2段・3段カート)
もっとも一般的なタイプ。工具箱や測定機器を載せて移動でき、軽量で操作性に優れています。
- スチール製・樹脂製が主流
- 耐荷重:100〜300kgクラス
- キャスター径:75〜125mmが標準
② 引き出し付きワゴン
工具を整理できる引き出しを備えたタイプ。整備工場や生産ラインで重宝されます。
- 引き出しの段数:2〜6段
- スライドレール式で取り出しやすい
- 鍵付きタイプもありセキュリティ面も安心
③ 作業台一体型カート
天板が作業台として使えるタイプ。小型部品の分解・点検・組立など、現場作業に便利です。
- 天板:ステンレス・ゴムマット付きが多い
- 作業高さ:700〜900mmが標準
- 一時置き台としても利用可能
④ 電動・昇降式カート
重量物や測定装置の運搬用。バッテリー駆動で昇降操作ができ、作業姿勢を改善します。
- 昇降方式:手動ハンドル/電動スイッチ
- 耐荷重:100〜500kgクラス
- 点検機器・試験装置の移動に最適
選定時のポイント
- 積載重量: 運搬する工具や機器の総重量を考慮
- 段数・収納構成: 点検用途に応じたレイアウト(引き出し・トレイ)
- キャスター径: 段差や床材に応じて選定(静音タイプもあり)
- 耐油性・帯電防止: 電気・機械設備周辺では安全性を重視
- 塗装色・識別: 現場エリアごとのカラー分類も有効
主要メーカーと代表製品
トラスコ中山(TRUSCO)
業界定番ブランド。コストパフォーマンスと耐久性に優れ、全国の工場・現場で普及しています。
- MP型ツールワゴン: スチール製3段タイプ。耐荷重150kg。
- MPD型: 引き出し付き高機能タイプ。保全用に最適。
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サカエ(SAKAE)
堅牢でデザイン性の高いワゴンを多数展開。病院・研究所などクリーン環境向けも豊富です。
- LW型: 標準2段タイプ。軽量アルミ構造。
- SKR型: ステンレス天板・引出し付き高耐久モデル。
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山金工業(YAMAKIN)
国内製造にこだわる金属製家具メーカー。耐久性と機能性に定評があります。
- SUPワゴン: 作業現場向けスチール製ワゴン。
- MYシリーズ: 静音キャスター付きモデル。
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アイリスオーヤマ・リス興業など
樹脂製軽量カートを展開。清掃・軽作業・簡易点検用途に人気。
- アイリスオーヤマ「KWシリーズ」:軽量・折りたたみ式。
- リス興業「RGCシリーズ」:滑り止め天板付きの業務用カート。
活用のポイント
- 点検ルートに沿って必要工具をワゴンごと準備。
- 引き出しやトレーを用途別に分類し、工具の置き忘れを防止。
- 天板にゴムマットを貼ることで、振動による機器損傷を防止。
- ワゴンを設備エリアごとに色分けすると管理効率が向上。
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Q&A
Q. ワゴンの材質はスチールと樹脂どちらが良い?
A. 重量工具を扱うならスチール製、軽作業や清掃用途なら樹脂製が適しています。
Q. 点検カートに電源タップを付けても良い?
A. 絶縁性を確保できる環境であれば問題ありませんが、ケーブルの引っ掛かりや感電リスクに注意が必要です。
Q. メーカーによる耐荷重の違いは大きい?
A. 100kg〜300kgで構造差があります。荷重が多い場合はキャスター径とフレーム厚みを重視しましょう。