0.01mm単位の高精度測定を可能にするマイクロメータは、金属加工・部品検査・整備分野で欠かせない精密測定工具です。
ノギスでは測れない微小な寸法を正確に測定でき、測定器の中でも信頼性の高いツールとして広く使用されています。
本記事では、マイクロメータの種類・構造・使い方・選び方を詳しく解説します。
マイクロメータとは?
マイクロメータは、ねじの回転による微小な移動を利用して寸法を読み取る高精度測定工具です。
一般的な最小読取値は0.01mm、高精度モデルでは0.001mm単位まで測定できます。
主に金属部品や機械加工品の厚み・外径・内径などを測る際に使われます。
ノギスとの違い
| 項目 | マイクロメータ | ノギス |
|---|---|---|
| 精度 | 0.01mm〜0.001mm | 0.05mm〜0.02mm |
| 測定方法 | ねじ送り式(スピンドル) | スライド式(副尺) |
| 用途 | 精密測定・検査用 | 一般測定・DIY用 |
マイクロメータの種類
| 種類 | 測定対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| 外側マイクロメータ | 外径・厚さ | 最も一般的。パイプや板厚の測定に。 |
| 内側マイクロメータ | 穴径・内径 | 複数ロッドを交換して範囲を変更。 |
| 深さマイクロメータ | 溝・穴の深さ | 底面の深さ測定に特化。 |
| シートマイクロメータ | 薄板やフィルム厚 | 平行ジョウ形状で柔らか素材に対応。 |
| デジタルマイクロメータ | 全用途 | 液晶表示で見やすく、データ出力機能付きも。 |
構造と読み方の基本
- フレーム: 測定対象を挟む固定構造。
- スピンドル: 測定面を前後に動かす軸。
- アンビル: 固定側の測定面。
- スリーブ(固定目盛): 主目盛を表示。
- サムローラ(微調整ねじ): 一定圧で測定面を当てるための機構。
読み取り方法(アナログ式)
- スリーブの主目盛を読み取る(mm単位)。
- サムローラの副目盛を読み取る(0.01mm単位)。
- 2つを合計して寸法を算出。
選び方のポイント
① 測定範囲
- 0〜25mm:最も一般的(標準部品向け)
- 25〜50mm・50〜75mm:大径部品向け
- 100mm以上:工業用・ライン検査向け
② 精度・分解能
- 一般作業:0.01mm精度
- 検査用途:0.001mm精度(デジタルタイプ)
③ 表示タイプ
- アナログ式: 手頃で耐久性が高い。
- デジタル式: 見やすく、ミス読みを防止。
おすすめのマイクロメータ
| 製品名 | 特徴 | 購入リンク |
|---|---|---|
| ミツトヨ MDC-25MJ(デジタル) | 防水IP65仕様。精度±1μmの高性能モデル。 | Amazon| 楽天 |
| 新潟精機 MCD-25(外側マイクロメータ) | 手頃な価格で0.01mm単位の精密測定が可能。 | Amazon| 楽天 |
| シンワ測定 デジタルマイクロメータ 79565 | DIYにも最適なコスパモデル。表示が見やすく軽量。 | Amazon| 楽天 |
正しい使い方の手順
- 測定面を清掃し、対象物のバリを取る。
- スピンドルを回して軽く当てる。
- サムローラで一定の力で接触させる(カチカチ3回が目安)。
- 値を読み取り、必要に応じて複数回測定して平均値を取る。
メンテナンスと保管
- 測定面は使用後に軽く油を塗って防錆。
- 衝撃・落下厳禁。専用ケースに収納。
- 年1回の校正で信頼性を維持。
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まとめ
マイクロメータは、精密部品や加工精度を確保するために欠かせない測定工具です。
外側・内側・深さ用などのタイプを使い分け、定期的に校正を行うことで、信頼できる測定データを長く維持できます。







