IoTゲートウェイ(遠隔監視装置)の基礎と使い方|複数設備を一元管理する通信

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工場や生産ラインでは、温度・圧力・電流・振動など、さまざまなセンサから情報が出力されています。

しかし、それらのデータを統合・活用できなければ「点」で終わってしまいます。

IoTゲートウェイは、各設備のデータを「面」で管理し、クラウドや監視システムへ送信するための通信中継装置です。




IoTゲートウェイとは?

IoTゲートウェイは、現場のセンサやPLCからデータを収集し、Ethernet・LTE・5Gなどの通信でクラウドや社内サーバーへ送信する装置です。

センサ・制御機器・クラウドをつなぐ“ハブ”として、IoT保全の要となります。

役割 内容
データ収集 各種センサ・PLC・ロガーからデータを取得
データ変換 通信プロトコル(Modbus, EtherNet/IPなど)を統一
送信・保存 クラウドやローカルサーバに定期送信
監視・警報 異常値をリアルタイム検知し、通知可能

IoTゲートウェイの主な構成

  • 入力:センサ(温度・圧力・振動・電流など)、PLC、アナログ入力
  • 変換:ゲートウェイ内部でデータ形式変換(CSV、MQTT、OPC-UAなど)
  • 出力:クラウドサービス(AWS、Azure、Edgecrossなど)へ送信
  • 通信:LAN・Wi-Fi・LTE・5G対応

導入メリット

  • 設備データを一元管理し、現場の可視化を実現
  • 既設設備への後付けが容易(センサ追加のみ)
  • クラウド連携による遠隔監視・異常通知が可能
  • ローカル処理機能(エッジコンピューティング)で応答速度向上

活用シーン

用途 対象 導入効果
遠隔監視 コンプレッサ・ポンプ・冷却塔 異常検知・停止防止
データ収集 生産設備・測定器 稼働率・品質管理に活用
省エネ監視 空調・照明・動力設備 電力使用量の最適化

通信プロトコルの種類と特徴

通信方式 特徴
Modbus / Modbus TCP 産業機器で最も広く利用。低コストで安定。
EtherNet/IP PLC間通信に強く、リアルタイム性が高い。
OPC-UA 異機種間連携が容易。IoT・クラウドに最適。
MQTT クラウド通信の主流。軽量・双方向通信に対応。

代表的なメーカーと特徴

メーカー 特徴
オムロン(OMRON) 産業用IoTゲートウェイ「NXシリーズ」。PLC連携が容易。
キーエンス(KEYENCE) データ収集・可視化まで一体化したIoTプラットフォーム。
横河電機(YOKOGAWA) プラント向けデータ連携システム「Sushi Sensor」と連動。
富士電機 産業IoT「MONiTAR」対応のゲートウェイを提供。
アズビル(AZBIL) ビル・設備向けのリモート監視ソリューションを展開。

導入時の注意点

  • 既存センサ・PLCとの通信規格互換性を確認
  • ネットワーク構成(社内LAN or クラウド)を事前設計
  • セキュリティ対策(VPN通信・暗号化)を徹底
  • 将来の拡張性を考慮した通信プロトコル選定

まとめ

IoTゲートウェイは、センサや制御機器のデータを「つなぎ」「整理し」「届ける」ための中核装置です。

工場のデータ化を進める上で欠かせない要素であり、保全・品質・生産のあらゆる分野で導入効果が期待できます。

小規模ラインから段階的に導入することで、スムーズなIoT化が実現できます。



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