
コンテナ洗浄機(Container Washer)は、プラスチックコンテナや折りたたみコンテナなどの容器を自動で洗浄・すすぎ・乾燥する装置です。
食品・医薬品・部品供給ラインなど、衛生管理が求められる現場で広く利用されています。
本記事では、コンテナ洗浄機の仕組みや種類、主要メーカーをわかりやすく解説します。
コンテナ洗浄機とは(基礎知識)
コンテナ洗浄機は、回収された通い容器(プラコン・オリコンなど)を高圧洗浄ノズルと温水・洗剤を用いて自動的に洗浄・すすぎ・乾燥する装置です。
食品工場や医薬品工場では衛生基準に対応するために導入が進んでおり、物流センターではリターナブル容器の再利用効率を高める目的で利用されています。
主な用途
- 食品・飲料工場の容器洗浄
- 医薬品・化粧品業界の衛生管理
- 部品供給・物流ラインのプラコン洗浄
- 折りたたみコンテナの再利用前クリーニング
導入メリット
- 手洗い作業の省力化・衛生レベルの均一化
- 高温洗浄による除菌・油汚れ除去
- 洗浄水の循環・節水によるコスト削減
- 乾燥まで自動化し再利用サイクルを短縮
種類と仕組み
① トンネル式コンテナ洗浄機
コンベヤで容器を連続搬送しながら、洗浄・すすぎ・乾燥を順に行う方式。大量処理に最適で、食品・医薬ラインに広く採用されています。
② 回転式(バッチ式)
一定数のコンテナをチャンバー内に入れて回転させながら洗浄する方式。多品種少量の現場や中規模ラインに適しています。
③ 高圧ノズル洗浄機
強力な高圧水流で油汚れや付着物を除去。自動車部品・金属加工現場などで利用されます。
④ 折りたたみコンテナ対応型
折りたたみ構造に合わせた開閉保持・洗浄ノズルを備えた専用タイプ。物流リターナブル容器向けです。
基本構成
- 搬送コンベヤ(ローラーまたはチェーン式)
- 洗浄タンク・循環ポンプ
- 高圧ノズルユニット(上・下・側面)
- 温水ヒーター・洗剤供給装置
- エアブロー乾燥ユニット
- 排水フィルタ・水再利用システム
主要メーカーと特徴
メーカー名 | 特徴 | 公式サイト |
---|---|---|
大森機械工業(OMORI) | 食品・医薬業界向けに衛生設計の洗浄ラインを展開。高温乾燥対応。 | 公式サイト |
サンエイ工業 | トンネル式・回転式コンテナ洗浄機を製造。省エネ・省スペース設計。 | 公式サイト |
関西機械製作所 | 金属加工・自動車部品向けの高圧洗浄装置に強み。 | 公式サイト |
ホクショー | 搬送装置メーカーとして洗浄・乾燥を一体化した物流設備を提供。 | 公式サイト |
オカムラ | 物流・食品業界向けリターナブル容器洗浄装置を展開。 | 公式サイト |
方式別の比較
方式 | 特徴 | 主な用途 | 費用目安 |
---|---|---|---|
トンネル式 | 連続処理で大量洗浄に対応 | 食品・医薬・物流センター | 500〜1500万円 |
回転式(バッチ) | 多品種少量向け・設置が容易 | 中小工場・研究施設 | 200〜800万円 |
高圧ノズル式 | 強力洗浄で油汚れ対応 | 部品・金属加工現場 | 300〜1000万円 |
折りたたみ対応型 | 開閉構造を考慮した専用設計 | リターナブル容器 | 400〜1200万円 |
導入時のポイント
- コンテナのサイズ・材質・汚れ具合に合わせて洗浄圧・温度を設定する
- 洗浄水の循環方式・濾過能力を確認する
- 乾燥工程の有無(エアブロー・温風)を検討する
- 設置スペース・排水処理設備の条件を把握する
- 衛生基準(HACCP対応など)に合致するか確認する
購入・導入の参考
コンテナ洗浄機は、対象容器や処理能力に応じて設計されるため、メーカーや代理店への仕様相談が基本です。
試験用途や小型ライン用では、卓上・簡易洗浄タイプも市販されています。
参考購入リンク
Q&A
Q. コンテナの材質によって洗浄条件は変わりますか?
A. はい。ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)は耐熱温度が異なるため、洗浄温度・乾燥温度を調整する必要があります。
Q. 洗浄水は循環できますか?
A. ほとんどの装置はフィルター付き循環方式を採用しており、節水・省エネ運用が可能です。
Q. 洗浄後の乾燥は自動で行えますか?
A. トンネル式や上位モデルでは温風・エアブロー乾燥が標準装備されています。乾燥が不十分な場合は、外部乾燥ユニットとの組み合わせも可能です。