
ラベル貼付機(Labeler)は、製品やパッケージ、段ボールなどに自動でラベルを貼り付ける装置です。
バーコード、ロット番号、賞味期限表示、製品識別などの印字ラベルを正確かつ高速に貼付することができます。
本記事では、ラベル貼付機の仕組みや種類、主要メーカーをわかりやすく解説します。
ラベル貼付機とは(基礎知識)
ラベル貼付機は、ロール状のラベルを自動で送り出し、製品や箱などに正確に貼り付ける装置です。
手作業による貼付に比べて、スピード・精度・表示品質が大幅に向上します。
製造ライン・包装ライン・出荷ラインなど、あらゆる現場で導入されています。
主な用途
- 製品パッケージへのバーコード・ロット・賞味期限ラベル貼付
- 物流箱(段ボール)への出荷ラベル・出荷伝票貼付
- ボトル・容器へのブランドラベル貼付
- パレット単位での出荷ラベル自動貼付(物流自動化ライン)
導入メリット
- ラベル貼付作業の自動化による省人化
- 貼付精度・印字品質の安定
- 印字・貼付・検査を一体化できる
- トレーサビリティや品質保証に対応
種類と仕組み
① 直線貼付型(サイド貼付)
コンベヤ上を流れる製品の側面にラベルを貼るタイプ。食品・日用品・医薬品包装ラインで最も一般的です。
② 上面貼付型(トップラベラー)
製品や箱の上面にラベルを貼付するタイプ。段ボール出荷箱などの用途に最適です。
③ ボトル・円筒形対応型
回転ローラーで製品を回しながらラベルを巻き付ける方式。飲料ボトル・化粧品・薬品容器で使用されます。
④ パレットラベラー(自動出荷ラベル貼付)
パレット積み製品に自動で出荷ラベルを貼る大型装置。AGV・ストレッチ包装機などと連携して完全自動化が可能です。
基本構成
- ラベルロール供給ユニット
- 剥離ヘッド・ピールプレート
- 貼付機構(エアブロー/ローラー/ピストン式)
- 搬送コンベヤ・センサー
- 印字ユニット(熱転写プリンタ/インクジェット)
- 制御盤・検査カメラ
主要メーカーと特徴
メーカー名 | 特徴 | 公式サイト |
---|---|---|
近藤製作所(KONDO) | ラベル貼付専業メーカー。高速・高精度モデルを多数展開。 | 公式サイト |
サトー(SATO) | 印字一体型の自動ラベラーを展開。バーコード・QR印字に強み。 | 公式サイト |
日栄インテック | シンプル構造のトップラベラー・サイドラベラーを展開。 | 公式サイト |
マキテック | 搬送装置メーカーとしてライン統合対応。物流用パレットラベラーも展開。 | 公式サイト |
オカムラ | 出荷ラベル・倉庫システム連携など総合的な物流自動化を提案。 | 公式サイト |
方式別の比較
方式 | 特徴 | 主な用途 | 費用目安 |
---|---|---|---|
直線貼付(サイド) | シンプルで多品種対応 | 食品・日用品 | 50〜200万円 |
上面貼付(トップ) | 箱・トレイなどに対応 | 物流・包装 | 80〜250万円 |
円筒形対応 | 回転貼付。化粧品・飲料容器に最適 | ボトル・容器 | 100〜400万円 |
パレットラベラー | 大型製品向け。物流自動化ライン対応 | 出荷ラベル貼付 | 500万円〜 |
導入時のポイント
- 貼付対象の形状(平面・曲面)を明確にする
- 印字方式(熱転写/インクジェット)を選定する
- ライン速度と貼付タイミング制御を確認する
- ラベルロール径・剥離方式の互換性を確保する
- 製品検査カメラ・読み取りシステムとの連携を検討する
購入・導入の参考
ラベル貼付機は、貼付対象・ライン速度・印字内容に応じて構成が異なります。単体装置としての導入のほか、包装機・コンベヤ・検査装置と組み合わせてライン化するのが一般的です。
小型・卓上モデルは通販でも入手可能です。
参考購入リンク
Q&A
Q. 印字と貼付を同時に行えますか?
A. はい。熱転写プリンタやインクジェット印字ヘッドを内蔵した「プリント&アプライラベラー」で、印字と貼付を一体化できます。
Q. 曲面や円筒形への貼付は難しいですか?
A. 回転ローラーや吸着パッドを使う方式で正確に貼付可能です。柔軟なラベル素材を使用することでシワを防げます。
Q. 貼付精度はどの程度ですか?
A. 高精度モデルでは±0.5mm以下の位置精度を実現可能です。高速ラインでも安定した貼付が行えます。