スクリューポンプとは?構造・種類・用途・メーカーをわかりやすく解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

スクリューポンプ(Screw Pump)は、ねじ状のローター(スクリュー)の回転で液体を連続的に送り出す容積式ポンプです。

高粘度液体やスラリー、潤滑油、排水などの搬送に強く、安定した送液と静音性を兼ね備えています。

この記事では、スクリューポンプの構造・原理・用途・代表メーカーをわかりやすく解説します。




スクリューポンプとは?(基礎知識)

スクリューポンプは、スクリュー(ねじ)状のローターが回転して流体を押し出す容積式ポンプです。

ローターとステーター(固定側)の間に閉じ込められた液体が、ねじ溝に沿って一定速度で移動する構造になっています。

他のポンプに比べて、脈動が少なく、高粘度液体や気泡を含む流体でも安定した送液が可能です。

構造と仕組み

基本構造は以下の通りです。

  • スクリューローター:金属または樹脂製のねじ状回転体。1軸または多軸構造。
  • ステーター:弾性ゴムなどで成形された固定部。ローターの形に沿って流路を形成。
  • 吸込口/吐出口:流体の入口と出口。
  • シャフトシール:漏れを防ぐシール部。メカニカルシールまたはパッキン式。
  • 駆動モーター:減速機を介してローターを回転。

作動原理

ローターが回転すると、ローターとステーターの間に生じた「密閉空間」が吸込側から吐出側へと移動し、液体を押し出します。

流れが途切れず、吐出圧力も安定しているため、粘性液や固形物を含む流体にも対応します。

特徴

  • 高粘度液・スラリー・汚泥でも送液可能。
  • 脈動が少なく、定量送液に適する。
  • 静音・低振動で長時間運転が可能。
  • 部品点数が少なく、メンテナンスが容易。
  • 吸引力が高く、自吸性に優れる。

スクリューポンプの種類

  • 単軸スクリューポンプ(モーノポンプ):1本のスクリューが弾性ステーター内で回転。汚泥・食品・化学分野に多い。
  • 二軸スクリューポンプ:2本のスクリューが噛み合いながら回転。気液混合や高圧送液に適する。
  • 三軸スクリューポンプ:3本のスクリューで圧送。潤滑油や燃料油など低騒音で安定流量。
  • マルチスクリューポンプ:高圧・大流量対応。産業設備や油圧機器に使用。

用途

  • 汚泥・排水・スラリーの移送
  • 粘度の高い樹脂・オイル・グリースの供給
  • 食品・飲料・医薬品製造ライン(粘性液送液)
  • 燃料油・潤滑油の移送・循環
  • 化学薬品・添加剤の定量注入

選定のポイント

  • 流体の粘度・粒径・温度
  • 必要流量・吐出圧力
  • スクリュー材質(SUS・硬化鋼など)
  • ステーター材質(NBR・EPDM・FKMなど)
  • 駆動モーター出力・減速比

主なメーカーと特徴

日機装株式会社(NIKKISO)

産業用スクリューポンプの大手メーカー。化学薬品・燃料・潤滑用途に豊富な実績。
公式サイトはこちら

株式会社イワキ

定量・薬液ポンプ分野で有名。小型スクリュー式・マグネット式ポンプを展開。
公式サイトはこちら

新明和工業株式会社

汚泥処理・排水処理設備向けスクリューポンプを製造。公共インフラ分野で実績多数。
公式サイトはこちら

モーノポンプ株式会社(MONO)

単軸スクリューポンプのパイオニア。食品・化学・排水分野に強み。
公式サイトはこちら

メーカー比較表

メーカー 主力製品 特徴 主な用途
日機装 二軸・三軸スクリューポンプ 高圧・高効率 化学・潤滑
イワキ 小型スクリューポンプ 薬液・定量送液 研究・ラボ
新明和工業 汚泥処理用スクリューポンプ 耐摩耗・長寿命 排水・環境設備
モーノポンプ 単軸スクリューポンプ 静音・定流量 食品・化学・汚泥

購入先・通販サイト

Q&A

Q. スクリューポンプは気泡を含む液体でも使えますか?

A. はい。構造上、気液混合でも安定した送液が可能です。エア噛みしにくいのが特徴です。

Q. ステーターの交換周期は?

A. 流体の性状にもよりますが、一般的に運転時間3,000〜5,000時間が目安です。摩耗や膨潤が見られたら交換を推奨します。

Q. ドライ運転はできますか?

A. 基本的に不可です。潤滑性が不足するとステーターが焼損する恐れがあります。

関連記事



  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

DIYにおすすめの主要ECサイト比較

生産財や副資材、消耗品、交換部品など、

近年では、インターネットで何でも購入できる時代になりました。

そんなECサイトをまとめた記事を公開中!

是非、参考にしてみてください。


DIYにおすすめの主要ECサイト比較へ