リスクアセスメント記録・報告書の作り方|正しい書き方と管理のコツ

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リスクアセスメントを実施した後は、結果を明確に記録し、関係者と共有することが重要です。

本記事では、リスクアセスメント報告書の書き方、構成例、記入のポイント、保存・活用方法を解説します。




リスクアセスメント報告書の目的

  • 危険源の特定結果とリスク評価の内容を明確に残す
  • 改善策を関係部署・作業者と共有する
  • 是正措置の進捗を管理・確認する
  • 労働基準監督署や社内監査に対応できる記録を保持する

報告書の基本構成

項目 主な内容
① 対象作業・設備 作業名、設備名称、実施日、実施場所
② 危険源の特定 作業動作・機械要素・化学物質などから抽出
③ リスクの評価 発生頻度(F)× 被害の大きさ(S)= リスクレベル(R)
④ 対策の検討・実施 排除・代替・隔離・管理・保護具など
⑤ 実施後の評価 残留リスクの再評価
⑥ 評価者情報 安全管理者、職長、関係部署責任者など

テンプレート例

項目 記入例
対象作業 プレス機金型交換作業
危険源 手の挟まれ、落下物
リスク評価(F×S) 2×3=6(高リスク)
対策内容 安全カバー設置、教育実施、インターロック導入
再評価 1×2=2(低リスク)
評価者 安全管理者:山田 職長:鈴木

作成のポイント

  • 数値化: リスクを定性的ではなく「F×S」で数値化
  • 改善策の優先順位: リスク値の高い項目から対策を実施
  • エビデンス添付: 写真・図面・SDSなどの根拠資料を添付
  • 再評価の明記: 対策後のリスク値を記録し、効果を確認
  • レビュー履歴: 年次見直しや定期再評価を明記

報告書の共有・保存方法

  1. クラウド管理: Google Drive・Dropbox・SharePointなどで共有
  2. バージョン管理: 改訂日・改訂者を明確にして履歴管理
  3. アクセス権設定: 編集権限を安全管理者・責任者に限定
  4. バックアップ: 定期的なデータ保存と印刷保管を併用
  5. 教育連携: 新人教育・KYT資料として再利用

主要支援ツール・テンプレート

厚生労働省 リスクアセスメント支援シート

業種別のチェック項目付きExcel形式テンプレートを無償公開。

Safety Meister

報告書フォーマットの自動生成、改善進捗の可視化機能を搭載。

現場PAD(kintone連携)

写真・音声入力対応の現場用報告アプリ。スマホ・タブレットから記録可能。

Googleスプレッドシート

共同編集・クラウド共有に適した無料ツール。チェックリスト管理に最適。

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Q&A

Q. 報告書は誰が作成・承認すべき?

A. 原則として、安全管理者や職長が作成し、部門長・安全衛生委員会が承認します。

Q. 書式は自社で自由に作ってもよい?

A. 自社フォーマットでも問題ありませんが、評価方法や項目は厚労省指針に準拠させましょう。

Q. 保存期間の目安は?

A. 少なくとも3年間以上の保存が推奨されます。重大災害関連は5年以上保管します。

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