
安全で効率的な職場づくりのためには、安全パトロールと5S活動の継続が欠かせません。
日々の小さな改善が重大災害の防止につながり、作業効率・品質向上にも寄与します。
本記事では、安全パトロールと5Sの目的・進め方・チェックリスト例を紹介します。
安全パトロールとは
安全パトロールとは、現場の安全状態を点検し、危険箇所や不安全行動を早期に発見・改善する活動です。
経営層から作業者までが参加し、「現場で気づき・対話する」ことが目的です。
目的
- 潜在的な危険要因を早期に発見し、事故を未然に防ぐ
- 安全意識の向上と現場コミュニケーションの促進
- 安全衛生管理体制の強化と継続的改善
安全パトロールの進め方
- 計画立案: 実施日時・対象エリア・担当者を決定
- チェックリスト作成: 作業環境・設備・動作・保護具などを網羅
- 現場巡視: 実際に現場を観察し、危険箇所を写真やメモで記録
- 是正指導: 改善が必要な箇所を関係者へ指示
- 報告書作成: 結果をまとめ、管理層へ報告
- フォローアップ: 改善状況を確認し、継続的に見直し
チェック項目の例
区分 | チェックポイント |
---|---|
作業環境 | 通路の確保・照明・換気・騒音レベル |
機械設備 | 安全カバー・非常停止装置・保守状態 |
作業動作 | 不安全姿勢・無理な運搬・指差呼称の徹底 |
保護具 | ヘルメット・安全靴・ハーネスの適正使用 |
整理整頓 | 工具・資材の置き方、通路へのはみ出し |
5S活動とは
5Sとは「整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)」の頭文字を取った職場改善の基本です。
安全・品質・コストすべての基盤となる活動であり、工場だけでなくオフィスや倉庫にも適用できます。
5Sの意味と目的
項目 | 意味 | 目的 |
---|---|---|
整理(Seiri) | 不要な物を取り除く | ムダをなくし、安全性向上 |
整頓(Seiton) | 使う物を使いやすく配置 | 探すムダを削減、作業効率向上 |
清掃(Seiso) | 汚れを除き、異常を発見 | 設備トラブルや劣化の早期発見 |
清潔(Seiketsu) | 整理・整頓・清掃を維持 | 職場の維持・衛生環境の確保 |
躾(Shitsuke) | ルールを守る習慣化 | 継続的改善と自主的安全行動 |
活動の進め方
- ステップ1: 活動テーマ・範囲を決定(例:工具置場・通路・休憩所)
- ステップ2: 現場写真を撮影し、Before/Afterを可視化
- ステップ3: 改善策を現場メンバーで決定し、実行
- ステップ4: 月例の5Sパトロールで点検・フィードバック
- ステップ5: 優良改善事例を全社共有
導入時のポイント
- 「見える化」ボードで改善状況を掲示
- 部署ごとに5Sリーダーを配置
- 安全・品質・生産の指標と連動させる
- 経営層の参画により継続力を強化
主要支援機関・ツール
中央労働災害防止協会(中災防)
安全パトロールチェックリストや5S活動手順書を提供。教育教材も充実。
日本能率協会(JMA)
5S・カイゼン・安全管理の研修を全国で展開。
トヨタ自動車・豊田生産方式(TPS)
5Sを軸とした生産性・安全性両立の実践モデル。多くの製造業の手本。
Safety Meister
クラウド型のパトロール記録システムを提供。現場の改善履歴を可視化。
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Q&A
Q. 安全パトロールはどのくらいの頻度で行うべき?
A. 一般的には月1回以上の定期パトロールが推奨されます。重点エリアは週1回の巡視が効果的です。
Q. 5S活動が長続きしません。
A. 評価・表彰制度を取り入れると継続しやすくなります。Before/After写真の掲示も効果的です。
Q. パトロールでの指摘が減ってきた場合は?
A. 観点を「安全」から「品質・効率」まで広げることで、新しい改善視点が生まれます。