安全スイッチ・ライトカーテンの基礎知識|仕組み・種類・メーカー比較

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機械設備や生産ラインで人と機械を安全に共存させるためには、安全スイッチライトカーテンによる自動停止機能が欠かせません。

本記事では、これら安全制御機器の種類・原理・設置基準・主要メーカーをわかりやすく解説します。




安全スイッチとは

安全スイッチ(Safety Switch)は、機械のドアやカバーが開いたときに自動的に動作を停止させるためのスイッチです。

危険エリアへの誤侵入やメンテナンス時の事故防止を目的としています。

代表的なタイプ

タイプ 特徴 主な用途
機械式インターロックスイッチ ドア開閉を物理的に検知。シンプルで信頼性が高い。 機械カバー・フェンス扉
非接触型スイッチ(磁気・RFID) 接点がなく、磨耗や誤動作が少ない。 クリーン環境・粉塵環境
ヒンジ型スイッチ ヒンジ部にセンサーを内蔵し、省スペース化。 小型扉・装置内部カバー
ロック付きスイッチ 機械停止を確認するまで扉をロックする。 ロボット・プレス機など高リスク設備

ライトカーテンとは

ライトカーテン(Safety Light Curtain)は、赤外線ビームによる光の「見えない柵」で、
人や物体が侵入すると即座に機械を停止させるセーフティセンサーです。

動作原理

  • 送信機と受信機の間に赤外線を照射し、複数の光軸で検知エリアを形成。
  • 光が遮られると信号を遮断し、機械制御系へ「停止信号」を送出。
  • 安全リレーまたは安全PLCを介して非常停止を実行。

主な種類

タイプ 特徴 主な用途
指検知タイプ 光軸ピッチ10〜14mm。細かい侵入検知が可能。 プレス・組立装置など
手検知タイプ 光軸ピッチ25〜40mm。一般的な作業エリア保護に。 搬送ライン・ロボット周辺
人体検知タイプ 光軸ピッチ70〜90mm。広範囲をカバー。 大型設備・搬送通路

安全規格と設置基準

  • ISO 13849-1: 制御系の安全性能(PL値)を定義
  • IEC 61496: 光電式安全装置の国際規格(ライトカーテンに適用)
  • JIS B 9703: 安全制御装置の設計・設置に関する日本規格

設置上のポイント

  • 検知エリアの高さ・位置は、作業者の動線に合わせて設定
  • 安全距離は「反応時間 × 機械停止時間」で算出
  • ライトカーテンは反射・誤検知を防ぐため、周囲照明の影響を考慮
  • 安全スイッチはフェンスやドアの開閉に連動させる

主要メーカーと特徴

オムロン(OMRON)

ライトカーテン「F3SGシリーズ」など、世界標準の安全制御機器を展開。セーフティPLCとの連携に優れる。

キーエンス(KEYENCE)

検出精度・応答速度ともに業界トップクラス。コンパクト設計と取付け容易性が特徴。

IDEC(和泉電気)

安全スイッチ・E-Stop・リレーを一貫開発。耐久性とコストバランスに優れる。

シュナイダーエレクトリック(Schneider Electric)

グローバル規格対応の安全スイッチ・センサーを展開。海外設備との互換性が高い。

パナソニック インダストリアル

光学検知技術に強みを持ち、薄型ライトカーテンを多数展開。

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Q&A

Q. ライトカーテンはどの高さに設置すればいい?

A. 作業者の手や体が侵入できない高さに設定します。一般的には700〜900mmの位置が多く採用されています。

Q. 光軸数は多いほど安全ですか?

A. 光軸が多いほど検知精度は高まりますが、コストや誤検知リスクも増えます。用途に応じた選定が重要です。

Q. 安全スイッチとライトカーテンは併用できますか?

A. はい。ドア開閉部にはスイッチ、開口部にはライトカーテンを設置する併用構成が最も一般的です。

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