
Vベルトは、断面が台形(V字型)の形状を持つ産業用ベルトで、プーリーと組み合わせて動力を伝達します。
摩擦力を利用して効率的に動力を伝えることができ、産業機械から自動車、空調設備まで幅広く利用されています。
ここでは、Vベルトの基礎知識、種類・規格、主要メーカーや購入先について解説します。
Vベルトとは?(基礎知識)
Vベルトは断面が台形の形状をしており、プーリーの溝にしっかりとフィットすることで高い摩擦力を発揮します。
滑りにくく効率が良いことから、動力伝達方式の中でも最も広く普及しています。
Vベルトの種類(断面規格)
VベルトはJISやANSI規格に基づき、断面サイズによって分類されます。
- A形・B形・C形: 一般的に使われる断面サイズ。Aは小型機械、Bは中型、Cは大型機械に使用。
- M形: 小型機器や家電製品に使われる細いVベルト。
- 3V・5V・8V: 海外規格に基づく狭幅Vベルト。高効率で省スペース設計が可能。
Vベルトの種類(グレード・用途別)
同じ断面サイズでも、材料や構造の違いにより複数のグレードが存在します。
- スタンダードVベルト: 最も一般的なタイプ。汎用性が高く幅広い用途に使用。
- レッドVベルト(耐久強化タイプ): ゴム材質や補強コードを改良し、耐熱性・耐摩耗性に優れる。
- 省エネタイプ: 動力損失を抑える高効率ベルト。
例:三ツ星ベルト「マックスターウエッジベルト」、バンドー化学「e-power Vベルト」 - 可変速ベルト: プーリー径を変化させ、回転数や速度を調整するために使用。
- ダブルVベルト: 両面がV形状で、特殊なレイアウトで使用される。
Vベルトの用途
- 工作機械や産業用モーター
- 空調設備(送風機、コンプレッサー)
- 自動車補機駆動
- 農業機械
- 搬送設備
主要メーカーと特徴
三ツ星ベルト
国内最大手。スタンダードVベルトから省エネ型「マックスターウエッジベルト」まで幅広く展開。公式サイトはこちら
バンドー化学(Bando)
自動車補機駆動用Vベルトに強みを持ち、産業用でも幅広い実績。高効率「e-power Vベルト」などを展開。公式サイトはこちら
ゲイツ(Gates)
米国発の世界的ベルトメーカー。狭幅ベルトや高効率ベルトに強みを持ち、海外で広く採用。公式サイトはこちら
メーカー比較表
メーカー | 特徴 | 主な分野 |
---|---|---|
三ツ星ベルト | 幅広い規格と省エネ型「マックスター」 | 産業用・農業用・空調 |
バンドー化学 | 自動車補機駆動・「e-power」など省エネ型 | 自動車・FA機器 |
ゲイツ | 海外規格(3V・5V等)や狭幅Vベルトに強い | 精密機械・産業設備 |
WEBでの購入先
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Q&A
Q. Vベルトとタイミングベルトの違いは?
A. Vベルトは摩擦力で伝達し、静音性と柔軟性に優れます。タイミングベルトは歯付き構造で滑りがなく、高精度の伝達が可能です。
Q. Vベルトの交換時期は?
A. 摩耗や亀裂、ベルト鳴きが発生した場合は交換が必要です。一般的には数千時間の使用で定期交換が推奨されます。