
スパイラルコンベヤは、限られた設置スペースで高さ方向の搬送を効率的に行えるコンベヤです。
主に段差のある搬送ラインや、フロア間の製品移動に使用され、工場や物流センターで多く採用されています。
本記事では、スパイラルコンベヤの構造や種類、用途、主なメーカーについて解説します。
スパイラルコンベヤとは(基礎知識)
スパイラルコンベヤは、らせん状(スパイラル状)にコンベヤベルトやローラーを配置した搬送装置で、製品を上階または下階にスムーズに移動させるための装置です。従来のエレベーター型垂直搬送機よりも連続的に搬送でき、処理能力に優れています。
ベルトやローラーが連続して回転するため、停止することなく製品を流すことが可能です。コンパクトでありながら高い搬送能力を持ち、省スペース化や自動化ライン構築に貢献します。
スパイラルコンベヤの種類
- ベルト式スパイラルコンベヤ:フラットベルトをスパイラル状に巻き付け、滑らかな搬送を実現します。食品・飲料・医薬品などの軽量物搬送に多い形式です。
- ローラー式スパイラルコンベヤ:ローラーをらせん状に配置し、段ボールやパレットなど比較的重量のある製品を搬送します。物流・倉庫現場に多く使用されます。
- スクリュー式スパイラルコンベヤ:粉体・粒体・廃棄物などを連続的に搬送する形式。食品、化学、リサイクル業界で採用されています。
スパイラルコンベヤの用途
スパイラルコンベヤは、省スペースで高低差のある搬送を可能にする点から、以下のような用途で利用されています。
- フロア間搬送(2階・3階への自動搬送)
- 包装後製品のストック・クーリングライン
- 物流センターでの仕分けライン
- 食品工場での冷却・乾燥ライン
- リサイクルプラントでの粉体搬送
スパイラルコンベヤの構造と特徴
スパイラルコンベヤは中心支柱を軸としてベルトまたはローラーが螺旋状に配置され、駆動モーターによって連続的に回転します。上下方向の連続搬送が可能で、次のような特徴があります。
- 省スペースで高低差搬送が可能
- 連続搬送による高スループット
- メンテナンス性が高く、耐久性に優れる
- 製品落下のリスクが低く、安定搬送が可能
主なスパイラルコンベヤメーカー一覧
- マルヤス機械株式会社:食品・物流分野に強みを持つ。静音設計・小型スパイラルもラインアップ。
公式サイトはこちら - オークラ輸送機株式会社:物流向け自動搬送システムで有名。ベルト式スパイラルを多数展開。
公式サイトはこちら - ダイフク株式会社:世界的なマテハンメーカー。大型設備ライン向けスパイラル搬送を展開。
公式サイトはこちら - 株式会社ニッサチェイン:ローラー式・スクリュー式を幅広く取り扱う。
公式サイトはこちら - 三機工業株式会社:粉体・粒体搬送用スクリューコンベヤに強み。
公式サイトはこちら
メーカー比較表
メーカー | 主なタイプ | 得意分野 | 対象 |
---|---|---|---|
マルヤス機械 | ベルト式 | 食品・小物搬送 | 工場内生産ライン |
オークラ輸送機 | ベルト式・ローラー式 | 物流・仕分けライン | 大型倉庫・センター |
ダイフク | ベルト式 | 自動倉庫・FAライン | 大規模工場 |
ニッサチェイン | ローラー式・スクリュー式 | 部品・粉体搬送 | 中小工場 |
三機工業 | スクリュー式 | 粉体・廃棄物搬送 | 化学・リサイクル業界 |
スパイラルコンベヤの購入先・販売サイト
Q&A(よくある質問)
Q. スパイラルコンベヤと垂直搬送機の違いは?
A. 垂直搬送機は停止動作で製品を一段ずつ上げるのに対し、スパイラルコンベヤは連続搬送が可能です。処理量やスループットが重視される現場ではスパイラルが選ばれます。
Q. スパイラルコンベヤはどの程度の高さまで搬送できますか?
A. 機種にもよりますが、一般的には最大6〜10m程度まで搬送が可能です。大型モデルではさらに高所搬送も対応できます。
Q. 粉体や粒体の搬送にも対応していますか?
A. はい。スクリュー式スパイラルコンベヤは粉体・粒体搬送に適しており、密閉構造で飛散を防止できます。