ボールねじとは?仕組み・種類・用途・メーカーまとめ

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ボールねじ(Ball Screw)は、ねじ軸とナットの間に鋼球を転動させることで、回転運動と直線運動を高効率に変換する機械要素です。

摩擦が非常に小さく、高精度な位置決めや高速送りが可能なため、工作機械・FA装置・半導体製造装置など、精密制御を要する分野で幅広く使用されています。




ボールねじとは(基礎知識)

ボールねじは、ねじ軸とナットの間で鋼球が転がることで摩擦を低減し、高い伝達効率(90%以上)を実現する直動機構です。

モーターの回転を直線運動に変換し、精密な位置制御を可能にします。

摩擦が小さいため、発熱が少なく、高速・高精度の繰り返し動作にも適しています。

ボールねじの種類

  • 精密ボールねじ:研削加工で高精度なリード精度を確保。工作機械や測定装置に使用。
  • 転造ボールねじ:コストパフォーマンスに優れ、一般FA・搬送機器に多用。
  • 循環方式による分類:エンドキャップ方式、インナーリターン方式、チューブ方式など。
  • 予圧構造:ダブルナット式・オーバーサイズボール式などでバックラッシを抑制。
  • ナット形状:円筒ナット、フランジナット、固定フランジナットなど。
  • 特殊タイプ:静音型、高速型、耐塵型、非磁性材仕様など。

主な用途

  • 工作機械(マシニングセンタ、旋盤、研削盤など)の送り軸駆動
  • 半導体・液晶製造装置の精密位置決め
  • FA・ロボット・搬送装置の直線駆動
  • 医療・分析・検査装置の精密送り
  • サーボプレスや成形機などの力制御機構

構造と特徴

  • 構成:ねじ軸、ナット、鋼球、リターン機構、エンドシール、潤滑機構。
  • 特徴:摩擦が小さく、ねじ—ナット間のすべりが転がり接触により高効率化。
  • 精度等級:JIS B 1192で定義され、C0~C10までの等級が存在(C3以上は精密級)。
  • バックラッシ:予圧方式でゼロバックラッシ化が可能。繰り返し位置決め精度を確保。
  • 潤滑:グリースまたはオイル潤滑が必須。専用潤滑ユニットにより寿命延長が可能。

主なメーカー一覧

  • 日本精工株式会社(NSK):高精度・高剛性ボールねじで世界トップクラス。工作機械・半導体分野に強み。
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  • THK株式会社:リニアガイドと並ぶ主力製品としてボールねじを展開。高剛性・低騒音タイプも豊富。
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  • 日本トムソン(IKO):小型・ミニチュアボールねじを供給。医療・分析機器に実績。
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  • NTN株式会社:耐久性と静音性を両立した転造ボールねじをラインアップ。
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  • ナブテスコ株式会社:高剛性アクチュエータ内蔵型ボールねじを展開。電動プレス等で採用多数。
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  • ミスミグループ本社:転造ボールねじをEC短納期で販売。切削加工オプションも豊富。
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  • HIWIN:グローバルメーカー。高コストパフォーマンス・短納期・多ラインナップが特長。
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メーカー比較表

メーカー 主力タイプ 強み 想定用途
NSK 精密・転造両対応 高精度・耐久性 工作機械・精密装置
THK 高剛性・低騒音 豊富なシリーズ展開 FA・ロボット
IKO 小型・ミニチュア コンパクト・軽量 医療・検査機器
NTN 転造・中荷重 静音・耐環境性 一般FA機器
ナブテスコ アクチュエータ一体型 高出力・高信頼性 電動プレス・成形機
ミスミ 転造標準品 短納期・加工済み 試作~量産装置
HIWIN 汎用・高精度 コスパ・納期 FA全般



ボールねじの購入先・販売サイト

Q&A(よくある質問)

Q. 精密ボールねじと転造ボールねじの違いは?

A. 精密ボールねじは研削仕上げで高精度・高剛性、転造ボールねじは量産性・コスト重視です。用途に応じて選定します。

Q. バックラッシをなくすには?

A. ダブルナットやオーバーサイズボールによる予圧方式を採用します。必要精度に応じてC3~C5級を選定してください。

Q. 潤滑を怠るとどうなる?

A. 潤滑不足は摩耗・焼付き・異音の原因になります。グリース補給周期をメーカー指定値以内で維持することが重要です。

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