遠心ファンとは?構造・種類・用途・メーカーをわかりやすく解説

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遠心ファン(Centrifugal Fan)は、羽根車の回転によって空気を遠心力で外周方向へ送り出す送風機です。

高圧を発生させることができ、ダクト送風や集塵機、乾燥装置などで広く使われています。

この記事では、遠心ファンの基本構造・種類・用途・代表メーカーをわかりやすく解説します。




遠心ファンとは?(基礎知識)

遠心ファンは、羽根車(インペラ)の回転によって空気を吸い込み、遠心力で外側へ押し出す仕組みの送風機です。

空気の流れは軸方向 → 半径方向に変化するため、軸流ファンよりも高い静圧(圧力)を発生できます。

そのため、ダクトを介した長距離送風や粉塵を伴う集塵用途に適しています。

構造と仕組み

基本構成は以下の通りです。

  • インペラ(羽根車):回転により空気を加速。羽根形状によって性能が変わります。
  • スクロールケーシング:空気の流れを誘導し、効率的に吐出する外殻。
  • 吸込口(インレット):空気を取り込む部分。整流用ベルマウス形状もあり。
  • モーター:インペラを駆動。直結型とベルト駆動型がある。
  • ベアリング・シャフト:回転部を支える要素。定期潤滑が必要。

遠心ファンの特徴

  • 軸流ファンより高圧を発生できる。
  • 風量調整が容易(ダンパ・インバータ制御)。
  • 粉塵やガスなど特殊環境にも対応可能。
  • 構造が頑丈で長寿命。
  • 静音性に優れたモデルも増加。

遠心ファンの種類

  • 後ろ向き羽根(バックワードカーブ)型:高効率・低騒音。工場換気や空調用途に多い。
  • 前向き羽根(フォワードカーブ)型:小型・大風量。集塵機や空調機内蔵ファンなど。
  • ラジアルブレード型:粉塵・ガス搬送に適し、耐摩耗性が高い。
  • マルチブレード型:多翼ファン。小型で静圧が高く、装置内送風に最適。

用途

  • ダクト送風・排気システム
  • 集塵機・乾燥装置
  • 燃焼用送風・冷却用送風
  • 空調機器(エアハンドリングユニットなど)
  • 粉塵・ガス搬送ライン

選定のポイント

  • 必要風量(m³/min)と静圧(Pa)の確認
  • 搬送空気の種類(清浄/粉塵/ガス)
  • 騒音・効率・モーター出力
  • 取付方式(直結/ベルト駆動)
  • 設置スペース・メンテナンス性

主なメーカーと特徴

昭和電機株式会社

産業用遠心ファン・集塵用ブロワを中心に豊富なラインナップ。
公式サイトはこちら

東芝産業機器システム株式会社

空調・ビル設備向けの省エネ型ターボファンを展開。
公式サイトはこちら

日立産機システム株式会社

大型ターボブロワ・送風機を多数展開。信頼性と静音性に定評。
公式サイトはこちら

新明和工業株式会社

高静圧型・高風量モデルを多数ラインアップ。上下水道・環境設備向けに強み。
公式サイトはこちら

メーカー比較表

メーカー 主力製品 特徴 主な用途
昭和電機 遠心ファン・集塵用ブロワ 静音・高効率設計 FA・工場設備
東芝産業機器 ターボファン 省エネ・軽量化 空調・換気
日立産機システム ターボブロワ 高信頼・長寿命 プラント・水処理
新明和工業 大型遠心ブロワ 高圧・大風量 上下水道・集塵装置

購入先・通販サイト

Q&A

Q. 遠心ファンと軸流ファンの違いは?

A. 遠心ファンは高圧・中風量でダクト送風向き、軸流ファンは低圧・大風量で換気・冷却向きです。

Q. 羽根が前向きと後ろ向きでどう違う?

A. 前向き羽根は小型・大風量・低効率、後ろ向き羽根は高効率・低騒音で消費電力が少ない特徴があります。

Q. 粉塵搬送に使う際の注意点は?

A. 耐摩耗仕様(ラジアルブレード型)を選定し、ケーシング内の清掃・点検を定期的に行います。

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