クラッチユニット(動力伝達装置)とは?仕組み・種類・用途・メーカーをわかりやすく解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

クラッチユニットは、モーターなどの動力源と機械の間で、動力の伝達・遮断を制御する装置です。

回転軸を接続・切り離しすることで、装置の起動・停止・切り替えをスムーズに行うことができます。

この記事では、クラッチユニットの仕組み・種類・用途・代表メーカーをわかりやすく解説します。




クラッチユニットとは?(基礎知識)

クラッチユニット(Clutch Unit)は、モーター軸などの回転動力を必要に応じて伝達・遮断する動力制御装置です。

装置の運転状態に応じて、電気・空気・油圧などの制御信号で軸を接続(ON)または切り離し(OFF)します。

産業機械や搬送装置、印刷機、工作機械など、正確な動力制御が求められる場面で使用されます。

仕組みと構造

基本構成は以下の通りです。

  • 駆動側(入力側):モーターなどの回転源。
  • 従動側(出力側):動力を受け取る側(機械軸・減速機など)。
  • クラッチ機構部:摩擦板や電磁コイルなどで回転を接続/遮断。
  • 制御回路:通電・加圧などでクラッチを作動・解除する制御部。

電磁クラッチでは、通電により磁力が発生し、摩擦板を押し付けて動力を伝達します。

無通電時にはスプリングの力で分離し、回転が切り離されます。

特徴

  • 動力のON/OFFを瞬時に切り替え可能。
  • 摩耗が少なく長寿命。
  • 制御信号で自動制御が可能(電磁・空圧式)。
  • トルク伝達能力が高い。
  • クラッチ+ブレーキ一体型タイプも存在。

クラッチユニットの種類

  • 電磁クラッチ:最も一般的なタイプ。通電で磁力を発生し、摩擦で動力を伝達。
  • スプリングクラッチ:スプリング力で接続するシンプル構造。小型装置向け。
  • エアクラッチ(空圧クラッチ):空気圧で摩擦板を押圧。大型機械・高トルク向け。
  • 油圧クラッチ:油圧シリンダで制御。高出力機械やプレス機に使用。
  • 摩擦クラッチ:摩擦力で回転を伝達。スムーズなトルク伝達が可能。
  • 電磁クラッチ・ブレーキユニット:1台で動力の接続と制動を両立する複合構造。

用途

  • コンベヤ・搬送装置の起動・停止制御
  • 印刷機・包装機のタイミング制御
  • 工作機械・加工機の主軸伝達
  • プレス機・巻取り機のクラッチ制御
  • サーボやインバータ制御との組み合わせ動作

選定のポイント

  • 伝達トルク・回転数・慣性モーメント
  • 応答時間(ON/OFFの切り替え速度)
  • 使用環境(温度・湿度・粉塵・油分)
  • 制御方式(電磁・空圧・油圧)
  • メンテナンス性と摩耗部品の交換容易性

主なメーカーと特徴

三木プーリ株式会社(MIKI PULLEY)

電磁クラッチ・ブレーキの国内トップメーカー。高信頼の「24V電磁クラッチ」シリーズなどを展開。
公式サイトはこちら

椿本チエイン(ツバキモト精工)

クラッチ付き動力伝達機構を多数ラインアップ。高トルク用途に対応。
公式サイトはこちら

オリエンタルモーター株式会社

小型クラッチ・ブレーキ付モーターを展開。FA・ロボット分野で人気。
公式サイトはこちら

オムロン株式会社

FAシステムと連動する電磁クラッチ制御ユニットを開発。自動化ラインに強み。
公式サイトはこちら

メーカー比較表

メーカー 主力製品 特徴 主な用途
三木プーリ 電磁クラッチシリーズ 高信頼・長寿命 FA・搬送装置
椿本チエイン ツバキクラッチ 高トルク対応 プレス・重機械
オリエンタルモーター クラッチ付モーター 小型・省スペース FA・ロボット
オムロン 制御ユニット PLC連携・通信制御 自動化ライン

購入先・通販サイト

Q&A

Q. クラッチとブレーキの違いは?

A. クラッチは動力を「つなぐ・切る」ための装置、ブレーキは「止める・保持する」ための装置です。
クラッチブレーキユニットは両方の機能を兼ね備えています。

Q. 電磁クラッチの寿命はどれくらいですか?

A. 一般的には数十万〜数百万回のON/OFF動作が可能です。摩耗部品(摩擦板)は定期交換が推奨されます。

Q. 空圧クラッチと電磁クラッチの使い分けは?

A. 高トルク・重負荷用途では空圧式が有利。
応答速度やコンパクト性を重視する場合は電磁式が適しています。

関連記事



  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

DIYにおすすめの主要ECサイト比較

生産財や副資材、消耗品、交換部品など、

近年では、インターネットで何でも購入できる時代になりました。

そんなECサイトをまとめた記事を公開中!

是非、参考にしてみてください。


DIYにおすすめの主要ECサイト比較へ