アーク溶接機とは?仕組み・種類・用途・主要メーカーをわかりやすく解説

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アーク溶接機(Arc Welder)は、電極と母材の間に発生する電弧(アーク)の熱で金属を溶かし、接合する装置です。

最も基本的な溶接方式であり、建設現場・鉄骨加工・補修作業など、あらゆる産業分野で使用されています。

この記事では、アーク溶接機の仕組み・種類・特徴・用途・主要メーカーをわかりやすく解説します。




アーク溶接とは?(基礎知識)

アーク溶接とは、電極棒と母材の間に高温のアーク放電を発生させ、その熱で金属を溶かして接合する溶接方法です。

電源を接続するだけで簡単に使えるため、構造物の現場施工や補修作業などに広く利用されています。

スラグやガスが溶融部を保護するため、風の影響を受けにくく屋外作業にも適しています。

アーク溶接機の仕組み

アーク溶接機は、電源装置から供給される電流を制御し、電極棒と母材間でアークを発生させます。

アーク熱(約5,000〜6,000℃)によって電極棒の先端と母材が同時に溶け、溶融金属が冷却・凝固することで接合が完了します。

被覆剤付きの電極棒が溶ける際に発生するガスやスラグが溶融金属を保護します。

アーク溶接機の主な種類

  • 交流(AC)アーク溶接機:構造がシンプルで価格も安く、一般的な作業向け。
  • 直流(DC)アーク溶接機:アークが安定しやすく、薄板や精密作業にも対応。
  • インバータ制御アーク溶接機:軽量・省エネで出力制御が精密。最新主流タイプ。
  • セルフシールドアーク溶接機:ガス不要で屋外でも安定した品質を実現。

構造と主要部品

  • 電源ユニット:アークを発生させる電流を安定供給。
  • ホルダー:電極棒を保持し、母材に電流を流す。
  • アースケーブル:回路を構成し、溶接電流を母材に戻す。
  • 電極棒:溶接金属と保護スラグを供給する被覆棒。
  • 冷却ファン:溶接中の温度上昇を防止し、連続使用を可能にする。

アーク溶接の特徴とメリット

  • シンプルな構造で扱いやすく、導入コストが低い
  • 屋外でも使用でき、風の影響を受けにくい
  • 厚板や大型構造物の接合に強い
  • ガス設備が不要で、可搬性が高い
  • 補修・現場作業などあらゆる用途に対応

主な用途

  • 鉄骨・建築構造物の接合
  • 配管・タンク・造船などの現場溶接
  • 重機・車両・機械部品の補修
  • 鋼材・鉄板・建設部品の加工
  • 農業機械や設備のメンテナンス

代表的なアーク溶接機メーカーと特徴

ダイヘン株式会社(DAIHEN)

高効率・高安定のインバータアーク溶接機を展開。現場・工場両対応の多機能モデルが豊富。
公式サイトはこちら

パナソニック コネクト株式会社(Panasonic)

産業用溶接機の国内トップメーカー。直流アークからロボット溶接まで総合ラインアップを展開。
公式サイトはこちら

スズキッド(SUZUKID)

DIY・補修用途向けの小型アーク溶接機を多数展開。家庭用100V対応モデルも人気。
公式サイトはこちら

日立産機システム(Hitachi Industrial Equipment Systems)

建設・製造現場での業務用アーク溶接機に強み。高耐久・長寿命設計が特徴。
公式サイトはこちら

リンカーン・エレクトリック(Lincoln Electric)

グローバルに展開する溶接機メーカー。高出力機や特殊溶接対応モデルを多数ラインアップ。
公式サイトはこちら

メーカー比較表

メーカー名 特徴 代表機種 対象ユーザー
ダイヘン 高安定アーク・現場向け設計 DP-Arcシリーズ 建設・製造業
パナソニック 信頼性の高い産業用モデル YDシリーズ 鉄骨・配管業
スズキッド 軽量・100V対応・DIY向け Arcuryシリーズ 個人・小規模工場
日立産機 高耐久・大型構造物対応 HXシリーズ 建設・造船
リンカーン 海外製・高出力・プロ向け Idealarcシリーズ 重工業・プラント

導入時のポイント

  • 使用する板厚・材質に合わせた出力を選定
  • 屋外作業が多い場合はセルフシールド式がおすすめ
  • 100V/200Vの電源環境を確認
  • 被覆棒(電極棒)の種類・径を適切に選定
  • 冷却性能・耐久性・可搬性も考慮

WEBでの購入・比較

アーク溶接機はDIY向けから業務用まで幅広く通販で購入可能です。
Amazonでアーク溶接機を探す
楽天市場でアーク溶接機を探す
Yahoo!ショッピングでアーク溶接機を探す



Q&A

Q. アーク溶接と半自動溶接の違いは?

A. アーク溶接は電極棒を手で溶かして接合する方式、半自動はワイヤが自動供給されます。アークは簡便性、半自動は効率重視です。

Q. 初心者でも使える?

A. 小型インバータ式なら扱いやすく、DIYや簡易補修にも適しています。

Q. アーク溶接でステンレスは溶接できる?

A. 専用のステンレス被覆棒を使用すれば可能です。ただし美観を重視する場合はTIGが適しています。

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