ボルトやナットを正しい力で締め付けるために欠かせないのがトルクレンチです。
締め付けすぎによる破損や、緩みすぎによる事故を防ぐため、整備・組立・工事の現場では必須の測定工具となっています。
本記事では、トルクレンチの種類・使い方・校正の基本と、おすすめ製品を紹介します。
トルクレンチとは？
トルクレンチは、ボルト・ナットの締め付けトルク（回転力）を数値で管理できるレンチです。
設定したトルク値に達すると「カチッ」と音や感触で知らせ、誰でも均一な力で締め付けできます。
トルクの単位
- 一般的な単位はN·m（ニュートンメートル）。
- 例：10N·mは、1mの棒の先端に1kgの力をかけるのと同等。
トルクレンチの種類
| タイプ | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| プリセット型 | 設定値に達するとクリック音が鳴る。最も一般的。 | 自動車・バイク整備・組立全般 |
| デジタル型 | 液晶表示で数値確認。メモリ・記録機能付きも。 | 精密機械・検査用 |
| ビーム型 | 針のしなりでトルクを読み取る。構造がシンプル。 | 目視確認・教育用 |
| ダイヤル型 | 高精度。校正しやすく試験・計測現場で使用。 | 研究・生産ライン |
トルクレンチの使い方（基本手順）
- トルク値を設定： 目盛りを回し、規定トルクに合わせる。
- ソケットを装着： 適正サイズのソケットを確実に取り付ける。
- 垂直に力をかける： ハンドルをゆっくり押し、カチッと鳴ったら止める。
- 設定を戻す： 使用後は最低トルクに戻して保管（バネの劣化防止）。
締付けトルクの目安（自動車・バイク例）
| ボルト径 | 一般的な締付けトルク（N·m） | 主な用途 |
|---|---|---|
| M6 | 5〜10 | カウル・外装部 |
| M8 | 15〜25 | ステー・ブラケット類 |
| M10 | 35〜50 | エンジンマウント・足回り |
| M12 | 70〜100 | ホイールナット・サスペンション |
※あくまで目安。必ずメーカー指定トルクを参照してください。
トルクレンチ使用時の注意点
- 延長バーを使用しない： トルク値が狂います。
- クリック後は締め続けない： 規定値を超えてしまう。
- 逆回転では使用不可： 左ねじ専用モデルを使用。
- 定期校正： 年1回または5,000回使用を目安に校正を実施。
おすすめのトルクレンチ
| 製品名 | 特徴 | 購入リンク |
|---|---|---|
| KTC デジラチェ GEK060-R3（デジタル型） | デジタル表示でトルク値を正確に確認可能。メモリ機能付き。 | Amazon｜ 楽天 |
| TONE プレセット型トルクレンチ T3MN100 | 自動車整備定番モデル。カチッと感が明確で扱いやすい。 | Amazon｜ 楽天 |
| 東日製作所 トルクレンチ MTQL100N | 信頼の国内メーカー。JIS規格対応で精度±3%。 | Amazon｜ 楽天 |
よくある質問（Q&A）
- Q. トルクレンチはDIYにも必要ですか？
- A. はい。ホイール交換やバイク整備など、適正トルクでの締付けが安全につながります。
- Q. 校正はどこでできますか？
- A. メーカーまたは計測機器校正業者に依頼可能。1〜2年に一度が目安です。
- Q. トルクレンチを保管する際の注意点は？
- A. 最低トルクに戻して、湿気・直射日光を避けて保管します。
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まとめ
トルクレンチは「適正トルクで安全に締める」ための必須工具です。
種類と使い方を理解し、用途に合わせて選べば、整備の精度と安全性が大きく向上します。
DIYからプロ作業まで、1本持っておくと安心な工具です。
