エアインパクトレンチやエアラチェット、グラインダーなどのエアツールは、シンプルな構造ながらトラブルが発生しやすい機器です。
圧力低下・回転不良・エア漏れなどの原因を理解し、正しいメンテナンスを行うことで長く快適に使用できます。
本記事では、代表的な不具合とその対処法を紹介します。
エアツールの主なトラブルと原因
トラブルの多くは、エア供給系・内部汚れ・潤滑不足のいずれかに分類されます。
| 症状 | 主な原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 圧力が上がらない | ホースの折れ・漏れ/コンプレッサー能力不足 | ホース径・長さを見直し、リークチェックを行う |
| 回転が弱い・止まる | オイル切れ/バルブやピストンの汚れ | エアツールオイル注入・内部清掃を実施 |
| エア漏れ音がする | カプラー接続不良/Oリングの劣化 | Oリング交換・シールテープ巻き直し |
| 異音・振動が大きい | 内部ベーンの摩耗/軸受損傷 | メーカー修理・オーバーホールを依頼 |
| トリガーが戻らない | ゴミ噛み・バネ破損 | 分解清掃または部品交換 |
圧力低下・出力不足の対処法
① コンプレッサー・配管系統を確認
- 吐出量が足りていない場合、ツールがパワー不足になります。
- ホースの長さを短く・内径を太くすることで圧力損失を低減。
- 配管接続部に石けん水を塗布し、気泡が出る箇所を補修。
② エアフィルター・レギュレーターの点検
- 水分・ゴミの詰まりは流量低下の原因。
- ドレン排出とフィルター清掃を定期的に実施。
- 圧力計が0.6〜0.7MPaを維持しているか確認。
回転不良・始動不良の原因と対策
① 潤滑不足
最も多いトラブル原因がオイル切れです。使用前に必ずエアツールオイルを2〜3滴注入し、軽く空回しして潤滑を行いましょう。
② 内部の錆・ゴミ混入
- 湿気を含むエアで内部が錆びると、回転が重くなります。
- 水分除去フィルター(ドライヤー)を導入するのが効果的。
エア漏れの原因と修理方法
① カプラー部の緩み
カプラーやプラグの接続部が緩んでいるとエアが漏れます。ネジ部にはシールテープを2〜3周巻き、しっかり締め付けましょう。
② Oリングの劣化
- 長期使用でOリングが硬化・亀裂を起こす。
- 交換用Oリングは工具メーカー純正部品を使用。
③ ホースの劣化・折れ
ウレタンホースは長期使用で硬化します。柔軟性が失われたら交換時期です。
異音・振動トラブルの原因
- ベーン摩耗: 内部の羽根(ベーン)が磨耗して回転ムラが発生。
- 軸受け損傷: 回転音が金属的になったらベアリング交換が必要。
- 分解整備: 高価なツールはメーカー修理依頼がおすすめ。
日常メンテナンスのポイント
- 使用前:エアツールオイル注入(2〜3滴)
- 使用後:ドレン排出・ホースの巻き取り・清掃
- 週1回:フィルター点検・ホース接続確認
- 月1回:Oリング・カプラー部のエア漏れ確認
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まとめ
エアツールの多くの不調は、日常的な点検とオイル管理で防げます。
圧力・潤滑・接続部を定期的にチェックし、問題を早期発見することで、ツールの寿命を大きく延ばすことができます。







