パイプやチューブをカットした後、切断面に残る「バリ」を除去するために使うのがリーマー(デバリングツール)です。
バリを取り除くことで、配管内部の流体抵抗を減らし、接続部の密閉性を高め、施工トラブルを防ぎます。
この記事では、リーマーの種類・使い方・選び方を解説します。
リーマーとは?
リーマーは、パイプの切断後に発生する内バリ・外バリを取り除くための仕上げ工具です。
特に空調配管や水道管など、液体やガスが通る管では、バリ取りが欠かせません。
主な用途
- 銅管・アルミ管・ステンレス管のバリ取り
- 樹脂パイプの端面仕上げ
- ねじ込み前の面取り加工
- 精密部品の内径仕上げ
バリを残すと起こるトラブル
- フレア加工時に密閉不良が発生
- 配管内に削り粉が残り、機器の目詰まりを起こす
- パイプ端面の変形により、接続部の角度がずれる
- 流体抵抗の増加による性能低下
リーマーの種類
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| ハンドリーマー(手動) | 手回し式でコンパクト。最も一般的。 | 空調・水道工事・DIY |
| 三枚刃リーマー | 均等な削りで滑らかな仕上がり。 | 銅管・アルミ管 |
| 外径用リーマー | パイプ外周のバリ取り・面取り用。 | フレア加工前処理 |
| 内外兼用リーマー | 一本で両方処理できる多機能タイプ。 | 現場常備に最適 |
| 電動リーマー | ドリルやドライバーに装着して使用。 | 大量加工・工場ライン |
リーマーの使い方
① パイプを固定
バイスやクランプでパイプをしっかり固定します。
動く状態で作業すると削り精度が落ち、危険です。
② 内バリを除去
リーマーをパイプの内側に差し込み、軽い力で回転させます。
刃が当たる感触を感じながら、滑らかになるまで数回転削ります。
③ 外バリを除去
外径側も同様に、リーマーを外側に沿って滑らせて面取りします。
45°程度の角度で軽く削ると美しい仕上がりになります。
④ 仕上がりを確認
指で触れて引っかかりがなければ完了です。
切削粉はエアブローまたはブラシで除去します。
おすすめのリーマー・デバリングツール
| 製品名 | 特徴 | 購入リンク |
|---|---|---|
| RIDGID リーマー 127 | プロ定番モデル。内外両用タイプで滑らかな仕上がり。 | Amazon| 楽天 |
| REX 三枚刃リーマー TR-28 | 銅管・ステンレス管に対応。安定した削りで精密仕上げ。 | Amazon| 楽天 |
| SK11 パイプリーマー SRE-30 | 手軽で扱いやすい家庭・DIY向けモデル。軽作業に最適。 | Amazon| 楽天 |
| TONE デバリングツール DT-1 | 樹脂管やアルミ管にも対応。コンパクトなポケットサイズ。 | Amazon| 楽天 |
リーマーの選び方
- 対応管径: 使用するパイプ径(例:φ3〜30mmなど)を確認。
- 対応素材: 銅・ステンレス・アルミなど用途に適した刃材を選ぶ。
- 携帯性: 現場用ならコンパクトな手動式、工場なら電動式が便利。
- 刃交換性: 長期使用を考えるなら替刃式モデルが経済的。
メンテナンスと注意点
- 使用後は切粉を完全に除去し、防錆油を軽く塗布する。
- 刃先が鈍ったら無理に使わず交換する。
- 過剰な力を加えると管が広がり、フレア加工に支障が出る。
- 金属粉を吸い込まないよう、作業時はマスクを着用。
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まとめ
リーマー(デバリングツール)は、配管加工の「仕上げ品質」を決める重要な工具です。
切断後のバリ取りを確実に行うことで、施工ミスや漏れを防ぎ、安全で長持ちする配管を実現できます。
現場ではパイプカッターとセットで常備しておくのが基本です。












