電気工事や配管施工で、金属管や樹脂管を正確な角度で曲げるために使うのがパイプベンダー(コンジットベンダー)です。
曲げ角度や寸法を正確に出すことで、配管が美しく仕上がり、施工品質や見栄えにも大きく影響します。
この記事では、パイプベンダーの種類・使い方・選び方をわかりやすく解説します。
パイプベンダー(コンジットベンダー)とは?
パイプベンダーは、金属や樹脂製のパイプを潰さずに曲げるための曲げ加工工具です。
特に電気工事で使用する「電線管(コンジット)」の曲げ加工に特化したものを「コンジットベンダー」と呼びます。
主な用途
- 電線管(E管・PF管・ねじなし電線管)の曲げ加工
- 空調・衛生配管のルート取り
- 建築現場での配線ルート整形
- 機械・装置配管の仕上げ加工
ベンダーの構造
- ヘッド: 曲げ角度を決めるアルミまたは鋼製の成形ブロック。
- 目盛(角度スケール): 15°・30°・45°・90°などの目盛付きで角度確認が容易。
- ハンドル: トルクをかけるための長いレバー。延長可能なタイプもあり。
- スタビライザー: 曲げ位置を安定させるための補助部材。
パイプベンダーの種類
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| ハンドベンダー | 最も一般的。1人で手動曲げが可能。 | 現場施工・DIY |
| 油圧ベンダー | 中〜大径管を滑らかに曲げられる。 | 設備・工場配管 |
| 電動ベンダー | 高精度・大量施工向け。 | 製造ライン・プラント |
| コンジットベンダー | 電線管専用。目盛付きで精密施工可能。 | 電気工事・配線施工 |
対応管種とサイズ
ベンダーは対応管種(電線管・水道管など)によって異なります。必ず使用前に確認しましょう。
| 管種 | 代表規格 | 対応ベンダー |
|---|---|---|
| 電線管(E管・C管) | 外径16〜54mm | コンジットベンダー |
| 水道・空調銅管 | 外径6〜22mm | チューブベンダー |
| ステンレス配管 | 外径10〜50mm | 油圧式ベンダー |
| 樹脂パイプ(PF管等) | 外径16〜28mm | 手動・ヒーター併用 |
おすすめのパイプベンダー
| 製品名 | 特徴 | 購入リンク |
|---|---|---|
| 育良精機 コンジットベンダー ISK-CB20 | 電気工事士に定評。角度精度が高く、美しい曲げが可能。 | Amazon| 楽天 |
| RIDGID ハンドベンダー 358 | 海外でも人気のプロ仕様モデル。耐久性と精度に優れる。 | Amazon| 楽天 |
| REX 油圧パイプベンダー HB-15 | 中径管にも対応。現場施工に便利な油圧駆動式。 | Amazon| 楽天 |
| SK11 コンジットベンダー SCB-16 | コスパ重視のDIY向け。小型現場や軽作業におすすめ。 | Amazon| 楽天 |
パイプベンダーの使い方
① 管をセットする
ベンダーのヘッドに管をはめ込み、曲げ開始位置を目盛に合わせます。
電線管の場合、通電ルートを意識して方向を確認しておきます。
② 曲げ角度を決める
目盛を基準に、必要な角度(30°・45°・90°など)を決定します。
角度誤差を抑えるため、少し浅めに曲げてから微調整するときれいに仕上がります。
③ ハンドルで曲げる
体重をかけながらハンドルを一定速度で押し込み、スムーズに曲げます。
力を急に抜くと管が戻るため、終点までゆっくり操作します。
④ 曲げ後の確認
直角定規で角度を確認し、歪みや潰れがないかをチェックします。
必要に応じてローラーや手直しで修正します。
施工のコツと注意点
- 管の中心線で曲げるイメージを持つ。
- 冷たい環境では樹脂管が割れやすいため、軽く温めると良い。
- 曲げすぎると再調整が難しいため、少しずつ確認しながら進める。
- 美観を意識して複数の管の曲げRを揃えると施工品質が向上する。
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まとめ
パイプベンダー・コンジットベンダーは、配管を正確かつ美しく曲げるための必須工具です。
角度の精度と仕上がりの美しさが施工品質を左右します。
用途や管種に合ったベンダーを選び、丁寧な操作で美しい仕上がりを実現しましょう。












