配管を接続するためにパイプの端にねじを切る作業を行うのがパイプねじ切り機(ダイヘッド)です。
水道管・ガス管・空調配管などでは、継手と確実に接続するために精度の高いねじ加工が不可欠です。
この記事では、ねじ切り機の種類・使い方・選び方をわかりやすく解説します。
パイプねじ切り機とは?
パイプねじ切り機は、鉄管やステンレス管の端部にテーパねじを切るための工具です。
ねじ加工によって、エルボ・ソケットなどの継手を確実に締め込み、漏れのない接続を実現します。
主な用途
- 配管工事(給水・排水・空調・ガス)
- 建築設備・機械設備のねじ接続
- 設備メンテナンス・配管改修
ねじ切り機の種類
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 手動式ねじ切り器(ラチェット式) | 軽作業向け。小径管の現場加工に便利。 | 配管補修・DIY |
| 電動ねじ切り機 | 作業速度が速く、大量施工に最適。 | 現場工事・工場配管 |
| 据置式(スタンド型) | 大型・重量管対応。精度が高い。 | 工場・設備メンテナンス |
| 油圧駆動式 | 太径パイプのねじ加工に対応。 | プラント・産業設備 |
ねじの種類と規格
配管ねじには、主に以下の規格が使われます。用途に合わせて対応するダイヘッドを選定します。
| ねじ規格 | 名称 | 特徴・用途 |
|---|---|---|
| PT(Rねじ) | テーパねじ | 気密性重視。水道・ガス管に多い。 |
| PF(Gねじ) | 平行ねじ | パッキン併用でシール性確保。 |
| NPT | 米国規格テーパねじ | 海外機器・輸入設備に使用。 |
パイプねじ切り機の構成
- ダイヘッド: パイプにねじを切る刃を保持する部分。
- ダイス: 実際にねじを成形する刃。PT・PFなど規格に応じて交換。
- クランプ: パイプを固定して回転を防ぐ装置。
- モーター部: 電動式の場合は回転駆動を担当。
- 切削油供給装置: 刃を冷却し、仕上がりを滑らかにする。
おすすめのパイプねじ切り機
| 製品名 | 特徴 | 購入リンク |
|---|---|---|
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| SK11 手動パイプねじ切り器 SPT-25 | 小径管向け。DIYや軽配管の補修に便利。 | Amazon| 楽天 |
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ねじ切り機の使い方
① パイプを固定
パイプバイスにパイプをしっかり固定します。
滑りやすい素材は布やゴムを挟んで保護します。
② ダイヘッドを装着
使用するねじ規格(PT・PFなど)に合わせてダイヘッドを取り付けます。
管径に合ったサイズを選定し、位置ずれがないようにセットします。
③ 切削油を供給
加工部に切削油をたっぷりかけ、摩擦と発熱を抑えます。
切削油は仕上がり精度と刃寿命に大きく影響します。
④ 加工開始
電動または手動でダイヘッドを回転させ、一定の速度でねじを切ります。
無理な力を加えず、スムーズに切り進めるのがポイントです。
⑤ 清掃・確認
加工後は切粉と油を拭き取り、ねじ形状に欠けやつぶれがないか確認します。
必要に応じてねじゲージで検査します。
使用時の注意点
- 切削油を使わないと刃が焼けて寿命が短くなる。
- 逆回転時にダイヘッドを強引に戻さない。
- ねじ深さを確認し、継手の噛み合わせが3山以上あることを確認。
- 定期的に刃を交換・研磨する。
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まとめ
パイプねじ切り機(ダイヘッド)は、配管施工における接続精度を左右する重要な工具です。
正しいダイス・規格を選び、切削油を十分に使って加工することで、漏れのない高品質なねじ接続が可能になります。
現場ではバイスやスタンドと組み合わせて、安全かつ効率的に作業を行いましょう。












