静電気とは?発生原理と設備トラブルとの関係をわかりやすく解説

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静電気(Static electricity)とは、物体表面に電荷がたまることで発生する現象です。

冬場に金属へ触れたときの「バチッ」という放電が有名ですが、工場設備ではもっと深刻な問題を引き起こす場合があります。

この記事では、静電気の発生原理、放電の仕組み、設備トラブル例、対策方法をわかりやすく解説します。



静電気とは?

静電気は、物体同士が接触・摩擦したり、離れたりする際に電荷が偏ることで発生します。

電荷が溜まり、一定量を超えると空気中に放電し、火花やノイズを発生させます。

主な発生要因

  • 摩擦(ベルト、ローラ、樹脂製ワーク)
  • 剥離(フィルム、紙、シート)
  • 乾燥した空気(湿度低下)
  • 絶縁体の帯電(樹脂・フィルム類)

静電気の発生原理

静電気は、以下の3つのプロセスで発生します。

① 接触帯電

異なる物質が触れた瞬間、電子が移動して帯電する。

② 摩擦帯電

摩擦によって電子移動が増え、帯電量が大きくなる。

③ 剥離帯電

フィルムや紙を剥がすときに大量の電荷が発生する。

静電気が設備に与える悪影響

① センサー誤動作

放電ノイズにより、光電センサー・近接センサーが誤検知することがある。

② インバータ・PLCのノイズトラブル

静電気放電(ESD)がノイズ源となり、制御盤内の電子機器に影響。

③ 製品不良

フィルム・粉体・シートが静電気で張り付く、異物付着などの問題。

④ 火花による引火

溶剤環境・粉じん環境では特に危険。

⑤ 人体へのショック

オペレーターの作業性悪化、誤動作につながることもある。



静電気対策の基本

① 接地(アース)

静電気を地面へ逃がす最も重要な対策。

② 湿度管理

湿度40〜60%を維持すると帯電しにくい。

③ 除電器の使用(イオナイザ)

静電気中和に最も有効。

④ 帯電しにくい素材の使用

帯電防止フィルム・摩耗粉の少ない樹脂など。

⑤ シールド・ノイズ対策

制御盤・インバータ周りで重要。

現場で多いトラブル事例

  • 搬送ラインのフィルムが貼り付く → 除電バー導入で改善
  • 粉体がホッパー壁に付着 → 帯電防止剤が有効
  • 近接センサーが誤動作 → アース改善+ルーティング見直し
  • PLCが誤停止 → 静電気放電のノイズ影響

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まとめ

静電気は、製品不良・ノイズ・誤動作・引火など、工場設備に大きな影響を与える要因です。

  • 摩擦・剥離・乾燥などで帯電が発生
  • 静電気放電は電子機器やセンサーに悪影響
  • アース・湿度管理・除電器が基本対策

適切な静電気対策を行うことで、設備の安定稼働と品質向上につながります。



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