ダンパー(Damper)は、振動・衝撃・揺れを抑えるための減衰要素です。
機械装置、FA設備、ロボット、建築設備、車両など幅広い分野で使用されています。
本記事では、ダンパーの仕組み、種類、構造、用途、選定ポイントをわかりやすく解説します。
ダンパーとは?
ダンパーは、振動・衝撃を吸収し、揺れを抑えるための機械要素です。
バネ(スプリング)=力を蓄える
ダンパー=力を逃がす(減衰させる)
という関係で機械の動きを安定させています。
主な役割:
- 振動の低減
- 衝撃吸収
- 急停止の緩和
- 共振防止
- 機械寿命の延長
ダンパーの仕組み(減衰の原理)
ダンパーは、動きに対して抵抗力(粘性・摩擦)を発生させることで振動を抑えます。
代表的な減衰方式:
- 油圧(オイルダンパー)
- 空気圧(エアダンパー)
- 摩擦式
- 粘弾性体(ゴム・樹脂)
ダンパーの種類
① 油圧ダンパー(オイルダンパー)
内部のオイル流動抵抗を利用して減衰。
- ロボットアーム
- 搬送装置の停止緩衝
- 建築免震装置
② ガスダンパー
ガス圧で荷重を支えつつ、動きを制御。
- フタの開閉補助
- オートドア
- 家電装置
③ 回転ダンパー
回転軸の動きを油で制御。
- ヒンジのゆっくり閉まる動作
- フタの戻り制御
④ 摩擦式ダンパー
摩擦で減衰させるシンプル構造。
- 低コスト
- メンテナンス容易
⑤ ゴムダンパー(防振ゴム)
粘弾性による振動吸収。
- 空調機器
- モーター基台
- 装置の防振
用途(産業設備でよく使われる例)
- 搬送装置の停止位置緩衝
- ロボットアームの安全動作
- 制御盤扉の開閉制御
- 空調機器・ポンプの防振
- 建築設備の揺れ対策
選定ポイント
- 減衰力(抵抗力)の大きさ
- 最大荷重・衝撃力
- ストローク
- 使用温度
- 繰り返し耐久
- 油漏れや環境対策
よくあるトラブル
- 油漏れ → シール摩耗・高温
- 減衰不足 → 選定不良・内部劣化
- 異音 → 摩擦式の摩耗進行
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まとめ
ダンパーは、機械の揺れや衝撃を抑える重要な減衰要素です。
- 油圧・ガス・回転・摩擦・ゴムなど多様な種類
- 用途に応じて減衰力や構造を選定
- 設備の長寿命化・安全性向上に効果的












