リミットスイッチ(Limit switch)は、機械の位置や動作の終端を検出するための位置センサーです。
FA装置、搬送機、工作機械、ロボットなど、あらゆる自動化機器に使われています。
この記事では、リミットスイッチの仕組み、種類、動作原理、選定ポイントをわかりやすく解説します。
リミットスイッチとは?
リミットスイッチは、物体が一定位置に到達したときにON/OFF信号を出力するスイッチです。
役割:
- ストッパー位置の検出
- 原点・終端の検知
- 安全停止・動作制限
- インターロック制御
動作原理
リミットスイッチは、機械的なアクチュエータ(ローラ、プランジャ)が押されることで内部接点が切り替わります。
仕組み:
- ローラが押される
- 内部のバネが変位
- 接点(NO/NC)が切り替わる
シンプルな構造で高い信頼性があります。
リミットスイッチの種類
① ローラレバー形
最も一般的。
- 搬送ライン
- ストッパー検知
② プランジャ形(押しボタン型)
垂直方向の押し込み検知に最適。
③ ローラプランジャ形
横方向と上下方向の両方に対応。
④ ヒンジレバー形
大きなストロークの検出に向く。
⑤ 防水・防塵リミットスイッチ
IP67 などで環境に強い。
接点の種類
- NO(常開)接点:押されたときにON
- NC(常閉)接点:押されたときにOFF
- 2回路タイプ(NO+NC)もある
電気仕様
- AC/DC 対応
- 接点容量(5A、10A など)
- アーク対策の必要性
リミットスイッチの用途
- 搬送コンベヤの終端検知
- シリンダの位置検出
- 扉の開閉検知
- ロボットの動作範囲制限
- 安全インターロック
選定ポイント
- 検出したい方向(横・縦)
- 動作ストローク
- 環境(粉塵・水・油)
- 接点容量(負荷電流)
- 耐久性(機械耐久・電気耐久)
- 取り付け形状(フランジ形・パネル形)
よくあるトラブル
- 接点溶着 → 過電流、アーク
- 動作しない → 異物・粉塵の詰まり
- 誤動作 → メカ摩耗、ストローク不足
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まとめ
リミットスイッチは、最も基本的で信頼性の高い位置検出センサーです。
- 機械的に ON/OFF を検出するシンプル構造
- ローラ・プランジャ・ヒンジなど種類豊富
- 環境・ストローク・電気容量で適切な選定が必要
- PLC・インバータ制御と相性が良い
産業機械の安全性と動作精度を支える重要な要素です。












