回転バランスとは?アンバランスの影響と原因・改善方法をわかりやすく解説

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回転バランスとは、回転体の質量が軸中心に対して均等に分布し、回転時に振動や偏心が発生しない状態を指します。

逆に、質量の偏りがある状態を「アンバランス」と呼び、機械振動・騒音・ベアリング寿命低下の大きな原因になります。

この記事では、回転バランスの基礎、アンバランスの種類、測定方法、改善方法までをわかりやすく解説します。



回転バランスとは?

回転体が回転するとき、質量が均等に分布していればスムーズに回ります。

しかし、ほんの数グラムの偏りでも高速回転では大きな遠心力となり、振動の原因になります。

回転バランス=質量の偏りがなく、振動が最小の状態

ベアリング・モータ・スピンドルなど、あらゆる回転設備に関係する重要概念です。

アンバランスとは?

アンバランス(Unbalance)とは、回転体の質量が偏っている状態です。

アンバランスは以下の3種類に分類されます。

① 質量アンバランス(Mass Unbalance)

最も一般的なパターン。偏肉・付着物などで発生。

② 偏心アンバランス(Eccentric Unbalance)

中心軸と重心が一致しない状態。丸棒・プーリで発生しやすい。

③ カップルアンバランス(Couple Unbalance)

軸方向の両端で質量偏りが異なる状態。

複雑で、特に高速機器で問題になる。

アンバランスの測定方法

① 振動計での測定(設備保全で一般的)

回転速度(rpm)と振動値(mm/s)を計測し、アンバランスを推定。

② バランス測定機(バランシングマシン)

最も高精度な方法。取り外した回転体を専用機で測定。

③ FFT解析

振動の周波数成分からアンバランス振動(1×成分)を確認する。

アンバランスの典型的な症状

  • 1×回転数の振動増加
  • 高回転ほど振動が急増
  • 騒音の増大
  • 軸・ベアリングの早期損傷
  • シール摩耗・漏れ



アンバランスが発生する原因

  • 加工精度不良(偏肉・芯ズレ)
  • 汚れ・付着物(粉塵・油・切粉)
  • 摩耗による形状変化
  • プーリ・カップリングの偏心取り付け
  • 溶接・補修による偏肉
  • 回転体の変形(熱変形・衝撃)

わずか数グラムの偏りでも、3000rpmを超えると大きなトラブルの原因になります。

アンバランスの改善方法

① 清掃で付着物を除去する

最も簡単で効果がある対策。

② バランス取り(バランシング)を行う

  • 材料を削る(除去法)
  • 重り(バランスウエイト)を付ける(追加法)

③ 芯出し(アライメント)を正しく行う

偏心取り付けがアンバランスの原因となる。

④ 回転体の交換

摩耗や変形が大きい場合は新品交換が最も確実。

⑤ 高精度ベアリング・プーリへの変更

偏心精度の改善によってバランス品質が向上。

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まとめ

回転バランスは、全ての回転機械に関わる重要な管理項目です。

  • アンバランスは質量偏りが原因で発生
  • 1×回転数の振動が代表的な症状
  • 高回転ほど影響が大きい
  • 原因は「偏肉」「付着物」「芯ズレ」が多い
  • 清掃・バランス調整・芯出しが改善の基本

回転バランスを適切に管理することで、設備寿命の延長、トラブル防止、省エネにつながります。



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