P6・P5などのベアリング精度等級とは?違いと選定ポイントをわかりやすく解説

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ベアリングには「P6」「P5」「P4」などの精度等級(アキュラシーグレード)があり、回転精度・騒音・振動・寿命に大きな影響を与えます。

一般用途ではJIS標準級(0級)が使われますが、モータ・スピンドル・高回転装置ではより高い精度等級が必要になります。

この記事では、ベアリング精度等級の意味、P6・P5の違い、用途ごとの選び方までわかりやすく解説します。



ベアリングの精度等級とは?

精度等級とは、ベアリングの寸法・回転精度・振れなどの品質レベルを示す規格です。

JIS(日本工業規格)、ISO、メーカー規格で定義されています。

代表的な精度等級:

  • 0級(普通精度)
  • P6(高精度)
  • P5(非常に高精度)
  • P4(超精密)
  • P2(最高精度)

数字が小さいほど高精度になります。

P6とP5の違い(分かりやすい比較)

ベアリングの精度は、以下の要素を厳しく管理することで向上します。

比較表

項目 P6 P5
回転精度 中程度に高い さらに高い(振れが少ない)
寸法許容差 0級より厳しい P6より厳しい
騒音・振動 低い さらに低い
用途 一般産業機械、高精度モータ 工作機械、精密装置、高回転スピンドル
価格 標準の1.3〜2倍程度 標準の2〜3倍以上

精度等級で何が変わる?(技術要素)

① ラジアル振れ(内輪・外輪の偏心)

高精度ほど振れが小さくなるため、回転ムラが少ない。

② 軌道面粗さ

滑らかになり、摩耗・騒音・発熱が減少。

③ 寸法公差・形状公差

内径・外径・幅などのバラつきが少なくなる。

④ 速度限界

高精度ほど最大回転数が高くなる。

用途別の選定例

P6 を選ぶ場面

  • インバータモータ
  • 産業用モータ一般
  • ファン・ブロワなど中高速回転
  • 低振動が求められる装置

P5 を選ぶ場面

  • 工作機械の主軸
  • 高速回転スピンドル(20,000〜60,000rpm)
  • ロボット関節の精密駆動部
  • 高精度ポンプ・コンプレッサ

P4・P2 を選ぶ場面

  • 超精密研削盤
  • 精密測定器のスピンドル
  • 半導体製造装置



精度等級を上げれば良い、わけではない

高精度ベアリングは高価であり、取り扱いもシビアになります。

デメリット:

  • 高価(2〜4倍以上)
  • 取り付け精度が悪いと性能が出ない
  • シール・グリース仕様がシビア
  • 環境(温度・負荷)によっては寿命が短くなることも

重要な考え方

ベアリング精度は装置全体の設計・加工精度とセットで効果を発揮する。

フレーム精度、シャフトの真円度、芯出し、カップリング精度などが低いと意味がありません。

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まとめ

ベアリング精度等級は、装置の性能・寿命・騒音・振動を大きく左右する重要なパラメータです。

  • 0級 → 一般機械
  • P6 → 高精度産業機械
  • P5 → 精密回転装置
  • P4/P2 → 超精密機器

装置の要求精度に応じて適切なグレードを選ぶことで、信頼性の高い回転機構を実現できます。



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