リテーナとは?ケージとの違いをわかりやすく解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

リテーナ(Retainer)とは、ベアリング内の転動体(ボール・ローラ)を一定の間隔に保持する部品のことです。

同じ意味でケージ(Cage)という呼び方もありますが、実は用途や構造によって使い分けられる場合があります。

この記事では、リテーナとケージの違い、役割、材質、故障の原因、選び方まで初心者にも分かりやすく解説します。



リテーナとは?

リテーナ(Retainer)は、ベアリング内部の転動体(ボール・ころ)が偏らず、均等に並ぶように保持する部品です。

役割は以下の3つです。

  • 転動体を均等に配置し、衝突を防ぐ
  • 摩擦・騒音・発熱を低減する
  • 潤滑油の保持を助ける

リテーナがないと、転動体が集まりベアリングがスムーズに回転しません。

ケージとは?

ケージ(Cage)は、転動体を「囲うように保持する構造」を意味する言葉で、一般にはリテーナとほぼ同義です。

ただし、メーカー・分野によって微妙に使い分けられることがあります。

一般的な使い分けの例

名称 特徴
リテーナ(Retainer) 保持する機能に焦点。精密部品で使用されることが多い。
ケージ(Cage) 全体を囲う・支える構造。ころ軸受など大型に多い。

結論としては、同じ意味として扱って問題ないケースがほとんどです。

リテーナ(ケージ)の種類

材質や構造により複数のタイプがあります。

① プレスケージ(鋼製)

  • 一般的・安価
  • 強度が高い
  • 振動・衝撃に強い

② 樹脂ケージ(PPS・PA)

  • 低騒音・低摩擦
  • 軽量で高速回転に適する
  • 温度に弱い場合もある

③ 機械加工ケージ(真鍮・アルミ)

  • 高精度・高剛性
  • 高速スピンドルなど高級用途向け

④ 保持器レス(フルコンタクト型)

保持器を持たない設計。

  • 転動体を最大数にできる(高荷重)
  • 摩擦・発熱増加の可能性



リテーナが破損する原因

リテーナ破損はベアリング故障の典型例の一つです。

  • 潤滑不足(オイル切れ)
  • 転動体の焼付き
  • 高温運転による樹脂の劣化
  • 衝撃荷重
  • 異物混入(切粉・粉塵)

特に高速回転・高温環境では樹脂ケージが劣化しやすいため注意が必要。

リテーナの選び方

ポイントは以下の通りです。

  • 用途(高速/低騒音/高荷重)
  • 温度条件
  • 回転数
  • 潤滑の種類(グリース or オイル)

例:工作機械主軸 → 樹脂ケージ or 真鍮加工ケージ

例:一般モータ → プレス鋼製ケージ

関連記事

関連書籍

まとめ

リテーナ(ケージ)は、転動体を適正な配置で保持する重要部品です。

  • リテーナとケージはほぼ同義
  • 材質により用途・性能が大きく変わる
  • 潤滑不足・高温・異物で損傷しやすい
  • 用途に応じて「鋼製・樹脂・真鍮」を選択

ベアリング寿命を延ばす上で、リテーナの理解は不可欠です。



  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

DIYにおすすめの主要ECサイト比較

生産財や副資材、消耗品、交換部品など、

近年では、インターネットで何でも購入できる時代になりました。

そんなECサイトをまとめた記事を公開中!

是非、参考にしてみてください。


DIYにおすすめの主要ECサイト比較へ