ブラシレスDCモータとは?仕組み・特徴・用途をわかりやすく解説

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ブラシレスDCモータ(BLDCモータ)とは、ブラシや整流子を使わず、電子制御で回転させる直流モータのことです。

近年は産業機械・家電・自動車(EV)まで幅広く採用されており、高効率・高寿命・低騒音を実現する次世代モータとして注目されています。

この記事ではブラシレスDCモータの仕組み、メリット・デメリット、用途までを初心者にも分かりやすく解説します。



ブラシレスDCモータとは?

ブラシレスDCモータは、コイルと磁石の組み合わせで回転する点はDCモータと同じですが、ブラシ(接点)を持たないことが最大の特徴です。

従来のDCモータ:

→ ブラシ+整流子で電流切り替え

ブラシレスDC:

→ 電子回路(インバータ)で電流を切り替え

この違いにより、摩耗部分がなく高寿命で、効率も高いモータとなっています。

ブラシレスDCモータの構造

一般的なBLDCモータは次のように構成されます。

  • ロータ(回転子):永久磁石
  • ステータ(固定子):コイル
  • ホールセンサ or エンコーダ
  • 駆動回路(インバータ回路)

電子制御によってステータ側のコイルに通電し、磁界を回転させてロータを引っ張る仕組みです。

ブラシレスDCモータのメリット

① 高効率

ブラシ摩擦がないため電力ロスが少ない。

② 長寿命・メンテナンスフリー

摩耗部品がないため、交換や清掃の手間が大幅に減る。

③ 高トルク・高速回転

磁力の利用効率が高いため高性能。

④ 静音・低振動

ブラシ摺動がないため音が少ない。

精密機器・家電に適応。

デメリット

① 駆動回路が必要

インバータ(電子制御)が必須で、構成が複雑。

② 初期コストが高い

モータ単体に加え制御回路が必要。

③ 電磁ノイズ(EMI)の発生に注意

高速スイッチングによるノイズ対策が必要。



ブラシレスDCモータの用途

BLDCモータは高効率・高寿命のため、様々な分野で採用されています。

  • 産業ロボットの関節・小型モーション機構
  • ファン・ブロワ・ポンプ
  • 搬送機器
  • ドローンのプロペラモータ
  • エアコン・冷蔵庫などの家電
  • 電動アシスト自転車
  • EV(電気自動車)用駆動モータ

ブラシ付きDCモータとの違い

項目 ブラシDC ブラシレスDC
寿命 短い(摩耗) 長い(摩耗なし)
騒音 大きい 小さい
メンテナンス 必要(ブラシ交換) ほぼ不要
効率 高い
制御 単純 電子回路が必要

BLDCモータとサーボモータの関係

多くのサーボモータは、実は内部にBLDCモータを採用しています。

違いは「制御方式」。

  • BLDC → 回転速度制御・簡易位置制御
  • サーボ → 高精度位置制御(エンコーダ+高性能ドライバ)

つまりBLDCモータは、サーボモータのベース技術ともいえます。

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まとめ

ブラシレスDCモータは、高効率・高寿命・静音を実現する現代の主力モータです。

  • ブラシ摩耗がなく寿命が長い
  • 高効率・高トルク・低騒音
  • 駆動回路が必要で構成が複雑
  • 産業・家電・モビリティまで幅広く活用できる

高性能・省エネを実現するために欠かせないモータ技術といえます。



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