同軸度とは?意味・測定方法・合否判定をわかりやすく解説

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同軸度(どうじくど / Coaxiality)とは、2つ以上の軸心がどれだけ一致しているかを示す幾何公差の一つです。

回転部品・穴加工・シャフト・ベアリングハウジングなど、多くの機械要素で必須の精度項目となっています。

この記事では、同軸度の意味、図面記号、測定方法、合否判定までを加工初心者にもわかりやすく解説します。



同軸度とは?

同軸度とは、基準軸に対して対象の軸がどの程度ズレていないかを示す公差です。

図面では以下のように記号で指示されます。

⌀(円筒)に対して、中心軸のズレを規定する幾何公差

軸同士のズレがあると、以下の問題が発生します。

  • 回転時の振れ(ランアウト増加)
  • ベアリング寿命の低下
  • 偏摩耗・発熱
  • 騒音・振動の発生
  • 組立不良

特にシャフトと穴は同軸度が非常に重要です。

図面での同軸度の指示例と意味

例:

⌀10 の穴に対して 同軸度 0.02

これは、

基準軸から半径0.02mm以内に軸心が収まる必要がある

という意味です。

円筒が細長い場合、少しの傾きでも同軸度不良が起こるため注意が必要です。

同軸度の測定方法

① ダイヤルゲージによる回転測定

最も一般的な測定方法。

手順:

  1. ワークをチャックまたはVブロックにセット
  2. ダイヤルゲージを当てる
  3. ワークを手回しで回転させる
  4. 振れ量(TIR)を測定

振れの半分が「同軸度のズレ」として扱われる。

② 三次元測定機(CMM)

曲面・内径・複雑形状など高精度が必要な場合に使用。

メリット:

  • 測定者のスキル差が出ない
  • 3D座標で正確な軸心を計算できる

③ 真円度計(円筒形状を高精度測定)

穴精密部品・高回転軸などに使用。

④ 同軸度治具を使った測定

プーリ・シャフトなど長尺物に有効。



同軸度の合否判定

同軸度 0.02 の場合、軸心が半径0.02mm以内に収まっていれば合格です。

ポイント:

  • 左右の穴の軸が一致しているか
  • 円筒の軸がまっすぐ通っているか
  • 基準データムが適切か

また、穴を深く加工した場合はドリルの逃げで軸が曲がりやすいため、ボーリング加工で補正することが多いです。

よくある不良の原因

① ドリル加工のみで深穴を加工している

ドリルは曲がりやすく同軸度不良が起きやすい。

② チャック把持が不十分

偏心状態での加工はNG。

③ 切削条件が不安定

振動 → 軸ズレの原因。

④ 旋盤とマシニングのセンターズレ

加工工程が複数になると軸ズレが蓄積する。

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まとめ

同軸度は、軸と穴・円筒形状の精度を評価する重要な幾何公差です。

  • 基準軸に対して軸心がどれだけ一致しているかの指標
  • 回転部品では振動・摩耗・寿命に直結
  • 測定にはダイヤルゲージ・三次元測定機が使用される
  • 加工方法やチャック精度が大きく影響する

精密加工や回転機構の品質を左右するため、必ず理解しておく必要があります。



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