図面では「C1」「C0.5」「R1」などの表記がよく登場します。
これらはエッジ(角部)の加工を指示する記号で、C面とR面では加工目的や仕上がりが大きく異なります。
この記事では、面取り(C面)とR面の違い、図面記号での読み方、加工方法、使い分けの基準まで初心者向けに分かりやすく解説します。
C面(Chamfer:面取り)とは?
C面とは、角を45°にカットして斜めにした加工のことです。
図面では次のように指示されます。
C1、C0.5、C2 など
これは「45°方向に1mm面取り」「0.5mm面取り」という意味です。
● C面の役割
- 角のバリ取り(安全性向上)
- 組み立て時の挿入性アップ
- 塗装・表面処理のムラ防止
- エッジの欠け防止
最も一般的な角処理方法で、ほとんどの機械部品に使用されます。
R面(R加工)とは?
R面とは、角に丸み(フィレット)を付ける加工のことです。
図面では次のように指示されます。
R1、R0.5、R2 など
これは「半径1mmの丸み」「半径2mmの丸み」という意味です。
● R面の役割
- 応力集中を低減し、疲労破壊を防ぐ
- 摺動面の摩耗を低減
- 外周部の衝撃吸収
- 樹脂部品・金型での流れ改善
強度や機能性が重要な部品に使われます。
C面とR面の違い(比較表)
| 項目 | C面(面取り) | R面(丸み) |
|---|---|---|
| 形状 | 直線的な45°カット | 半円弧の丸み |
| 目的 | バリ取り・挿入性向上 | 強度向上・応力集中低減 |
| 加工方法 | 面取り工具・バリ取り | ボールエンドミル・Rカッター |
| 特徴 | 加工が速い・コスト安 | 加工に時間がかかる |
| 使用例 | 金属部品全般 | 高強度部品・樹脂・金型 |
図面での読み方と注意点
① CとRは絶対に混同してはいけない
C1 と R1 は全く異なる加工。
② 「C0.2」などの微小面取り
バリ取りを兼ねた仕上げで多用。
③ R処理はNCプログラムが必須のことも
特にR0.5以下は精密加工となる。
④ R面はシール性・摺動性に影響
Oリング座・摺動ブロックなどでR指定が重要。
⑤ 『C面取りなし=鋭角』は危険
怪我・欠け・応力集中の原因になるため、最低C0.3程度は推奨。
C面・R面の加工方法
● C面の加工方法
- 面取りカッター
- エンドミルの横当て
- バリ取りツール
● R面の加工方法
- Rカッター
- ボールエンドミル
- 手仕上げ(樹脂・アルミなど)
R加工はC加工に比べてコストが高くなる傾向があります。
C面・R面の使い分け基準
● C面にすべきケース
- 一般金属部品の角処理
- 組立性が重要
- コストを抑えたい場合
● R面にすべきケース
- 応力集中が問題になる部分
- 樹脂・アルミで割れやすい部位
- 摺動面・シール部
- 外観が求められる部品
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まとめ
面取り(C面)とR面は、見た目が似ていますが目的も加工方法も異なります。
- C面=45°に角を落とす(バリ取り・挿入性)
- R面=丸みをつける(強度・応力集中対策)
- 用途に応じて使い分けが必要
- R加工はコストが高くなることが多い
図面の読み方に慣れることで、加工トラブルや組立不良を未然に防げます。












