スティッフネスとは?剛性の定義と計算式をわかりやすく解説

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スティッフネス(Stiffness/剛性)とは、部材がどれだけ「変形しにくいか」を示す機械要素の重要指標です。

軸、フレーム、ガイド、締結部、ベアリングなど、あらゆる部分で剛性不足は振動・共振・位置ズレ・加工精度不良につながります。

この記事では、スティッフネスの定義、計算式、例題、設計で重要となるポイントをわかりやすく解説します。



スティッフネス(剛性)とは?

スティッフネス(Stiffness)とは、

「力を加えたとき、どれだけ変形しにくいか」を表す値

で、次の式で定義されます。

剛性 k = 荷重 F / 変位 δ

すなわち、

  • 変形が小さい → 剛性が高い(k が大きい)
  • 変形が大きい → 剛性が低い(k が小さい)

モータ・軸・フレーム・ガイドなど、機械系の安定性を左右する最重要パラメータです。

スティッフネスの単位

スティッフネスの単位は次の通りです。

  • N/mm
  • N/μm(高精度機で使用)

「1Nの力で何mm動くか」という感覚です。

剛性の代表的な種類

① 伸び剛性(軸の引張・圧縮)

細い軸は力で伸びやすく、太い軸は伸びにくい。

② 曲げ剛性(ビームのたわみ)

フレーム、アーム、ガントリ構造などで重要。

③ ねじり剛性(トーション剛性)

シャフト、カップリング、ロボットアームなどで重要。

④ 面の剛性(プレートの変形)

装置ベース・機械カバー・定盤など。

剛性の基礎式(ヤング率を使う)

■ 伸び剛性

k = AE / L

A=断面積、E=ヤング率、L=長さ

■ 曲げ剛性(片持ち梁)

δ = FL³ / (3EI)

I=断面二次モーメント

(剛性は I に強く依存)

■ ねじり剛性

k = GJ / L

G=せん断弾性係数、J=極断面二次モーメント

剛性が不足するとどうなる?

剛性不足は、多くのトラブルの原因になります。

  • 振動が増える(共振しやすくなる)
  • 加工精度が悪化する(ビビり)
  • 位置決め精度が安定しない
  • 軸がたわんで摩耗が増える
  • ガイド・ボールねじの寿命低下

機械設計では「剛性の確保」が最優先項目です。



剛性を高める方法

① 断面を大きくする(最も効果的)

I(断面二次モーメント)は、断面寸法の3乗〜4乗で増加。

② 材料を変更する(ヤング率を上げる)

  • アルミ → 鉄(約3倍剛性)
  • 樹脂 → 金属

③ 支持点を増やす / 支持方法を変える

片持ち → 両持ちにすると大幅に向上。

④ 長さを短くする

L が短いほど剛性が上昇。

⑤ プレロード(予圧)を与える

ガイド・ベアリングで有効。

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まとめ

スティッフネス(剛性)は、部材の「変形しにくさ」を示す重要指標です。

  • 剛性 k = F / δ で定義
  • 剛性不足は振動・精度不良・摩耗につながる
  • 断面を大きくするのが最も効果的
  • 材料、支持方法、長さでも大きく変わる

機械の信頼性と精度を高めるために、剛性の理解は必須です。



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