転位係数(てんいけいすう)とは、**歯車を歯切りする際に、歯形を基準位置から意図的にずらす量を数値化したもの**です。
歯車設計では、歯先干渉の回避や歯の強度向上のために重要なパラメータとなります。
この記事では、転位係数の意味、プラス転位・マイナス転位の違い、歯車性能への影響をわかりやすく解説します。
転位係数とは?
転位係数とは、
歯切り工具(ホブなど)を基準位置からどれだけ外側または内側にずらして加工したかを表す無次元量
です。
通常「x」で表され、
– x = 0:標準歯形
– x > 0:プラス転位
– x < 0:マイナス転位
となります。
なぜ転位係数が必要なのか?
① 歯先干渉を防ぐため
小歯数ギアでは、転位なしだと歯先干渉が発生しやすい。
② 歯元強度を高めるため
プラス転位で歯元が太くなり、折損に強くなる。
③ 中心距離を微調整するため
転位の組み合わせで設計自由度が増す。
プラス転位とマイナス転位の違い
プラス転位(x > 0)
- 歯先が外側に移動
- 歯元が太くなり強度向上
- 歯先干渉を防止
マイナス転位(x < 0)
- 歯先が内側に移動
- 歯元が細くなる
- 噛み合い率向上
転位係数が歯車性能に与える影響
| 項目 | プラス転位 | マイナス転位 |
|---|---|---|
| 歯元強度 | 向上 | 低下 |
| 歯先干渉 | 防止 | 起きやすい |
| 噛み合い率 | 低下 | 向上 |
| 騒音 | 条件次第 | 低減傾向 |
転位係数の代表的な使い方
- 小歯数ギア:プラス転位
- 対向歯車とのバランス調整
- 減速機での耐久性向上
転位歯車とバックラッシの関係
転位係数はバックラッシにも影響します。
- 転位量が大きい → バックラッシ変化
- 設計段階での同時検討が必須
関連記事
関連書籍
まとめ
転位係数は、歯車設計における非常に重要な調整パラメータです。
- 歯先干渉防止に有効
- 歯元強度を高められる
- 噛み合い率・バックラッシに影響
歯車の性能を最大化するには、転位係数の理解が欠かせません。












