油圧ポンプの中でも、静音性と安定した吐出が求められる装置で多く使われるのがベーンポンプです。
射出成形機、工作機械、産業設備などで広く採用されています。
この記事では、ベーンポンプの基本構造、作動原理、特徴、他方式との違い、使用時の注意点をわかりやすく解説します。
ベーンポンプとは?
ベーンポンプとは、
回転子(ロータ)に設けられた複数のベーン(羽根)がスライドしながら回転し、容積変化によって油を吸入・吐出する容積式ポンプ
です。
回転が滑らかで、脈動が少ない点が特徴です。
ベーンポンプの基本構造
主な構成要素は以下の通りです。
- ロータ(回転子)
- ベーン(可動羽根)
- カムリング
- ケーシング
ロータはカムリング内で偏心して配置されています。
ベーンポンプの作動原理
- ロータが回転する
- 遠心力でベーンが外側に押し出される
- 吸入側で容積が拡大し油を吸入
- 吐出側で容積が縮小し油を吐出
この容積変化が連続して起きることで油が送られます。
ベーンポンプの主な特徴
① 脈動が少ない
吐出流量が安定し、振動・騒音が小さい。
② 静音性に優れる
ギアポンプに比べて運転音が低い。
③ 中圧用途に適する
一般的に 7~14MPa 程度が主流。
④ コンパクト
構造が比較的シンプルで省スペース。
ベーンポンプの種類
① 固定容量形ベーンポンプ
吐出量が一定で構造が簡単。
② 可変容量形ベーンポンプ
偏心量を変えて吐出量を制御。省エネ用途に多用。
他方式ポンプとの比較
| 項目 | ベーン | ギア | ピストン |
|---|---|---|---|
| 圧力 | 中 | 低~中 | 高 |
| 脈動 | 小 | 大 | 小 |
| 騒音 | 小 | 大 | 中 |
| 価格 | 中 | 安 | 高 |
使用時の注意点
- 油の清浄度管理が重要
- 空運転は厳禁
- 高圧用途には不向き
- 油温管理が必要
ベーン摩耗によるトラブル
- 吐出量低下
- 異音発生
- キャビテーション誘発
- 内部リーク増加
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まとめ
ベーンポンプは、静音性と安定した吐出が求められる油圧設備に適したポンプです。
- 脈動が少なく静かな運転
- 中圧用途に最適
- 油の清浄度管理が寿命の鍵
用途と条件に合った選定・保全が、安定稼働につながります。












