エンコーダ選定の際に必ず出てくる用語が分解能と精度です。
この2つは似ているようで意味がまったく異なり、混同すると「高分解能なのに位置が合わない」といったトラブルにつながります。
この記事では、エンコーダの分解能と精度の違い、それぞれが装置性能に与える影響、選定時の考え方を現場向けに解説します。
分解能とは?
エンコーダの分解能とは、
1回転(または1ストローク)を何分割して検出できるか
を表す指標です。
例:
- 1000 P/R(pulse per revolution)
- 17bit(=131,072分割)
分解能が高いほど、細かい位置変化を検出できます。
精度とは?
精度とは、
検出した位置が、実際の真の位置にどれだけ近いか
を表します。
- 累積誤差
- 非直線性
- ピッチ誤差
などが精度に影響します。
分解能と精度の違いを比較
| 項目 | 分解能 | 精度 |
|---|---|---|
| 意味 | 検出の細かさ | 真値との近さ |
| 単位 | P/R、bit | ±°、±mm、±arcsec |
| 影響 | 滑らかさ | 位置ズレ |
高分解能=高精度ではない
よくある誤解が、
「分解能が高い=精度が高い」
という考えです。
実際には、
- 高分解能だが誤差が大きい
- 低分解能だが高精度
というケースも存在します。
精度を悪化させる要因
- エンコーダ内部の製造誤差
- 軸の偏心・芯ズレ
- 取付誤差
- 温度変化
装置設計で重要なのはどちら?
用途によって重視すべき指標は異なります。
- 滑らかな動作 → 分解能
- 位置再現性 → 精度
- 絶対位置決め → 精度重視
分解能を上げすぎると起きる問題
- ノイズ影響を受けやすい
- 制御処理負荷増大
- 通信量増加
選定時のチェックポイント
- 必要な位置精度(mm、角度)
- 機械系の剛性・バックラッシ
- 制御系の応答
現場でよくあるトラブル
- 数値は細かいが位置が合わない
- ノイズでカウントが乱れる
- 分解能過剰による誤検出
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まとめ
分解能と精度は、似て非なる重要な指標です。
- 分解能=細かさ
- 精度=正しさ
- 用途に応じたバランスが重要
正しく理解することで、エンコーダ選定の失敗を防げます。












