モータを起動した瞬間に、ブレーカが落ちたり、照明が一瞬暗くなったりする現象を経験したことはありませんか?
その原因の多くが始動電流です。
この記事では、モータの始動電流とは何か、なぜ大きくなるのか、制御盤設計で注意すべきポイントを現場向けに解説します。
始動電流とは?
始動電流とは、
モータが停止状態から回転を始める瞬間に流れる一時的に非常に大きな電流
です。
定常運転時の電流(定格電流)に比べ、数倍〜十数倍になることがあります。
なぜ始動電流は大きくなるのか?
モータ停止中は回転による逆起電力が発生しないため、電気的にはほぼ短絡状態になります。
- 回転数ゼロ → 逆起電力ゼロ
- 結果として大電流が流れる
始動電流の大きさの目安
一般的な誘導モータの場合:
| 項目 | 電流倍率 |
|---|---|
| 直入れ始動 | 定格の5〜7倍 |
| スター・デルタ始動 | 約1/3 |
| インバータ始動 | 定格以下に抑制可能 |
始動電流が引き起こす問題
- ブレーカ・ヒューズの誤動作
- 電圧降下(瞬低)
- 電源設備への負担
- 他機器への影響
制御盤設計での注意点
- ブレーカの瞬時遮断特性を確認
- 電源容量に余裕を持たせる
- 複数台同時始動を避ける
- 始動方式を検討
始動方式による対策
① 直入れ始動
- 構成が簡単
- 始動電流は最大
② スター・デルタ始動
- 始動電流低減
- トルクも低下
③ インバータ始動
- 電流・トルク制御可能
- 最も柔軟
始動電流とトルクの関係
始動電流を下げると、始動トルクも下がる点に注意が必要です。
- 負荷条件に応じた方式選定
- 空転始動が可能か確認
現場でよくあるトラブル
- ブレーカ容量不足
- インバータ容量の過小選定
- 同時始動による電圧低下
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まとめ
始動電流は、モータ制御と電源設計で必ず考慮すべき重要要素です。
- 始動時に大電流が流れる
- 電源・保護機器への影響大
- 始動方式選定が鍵
正しい理解が、制御盤トラブル防止につながります。











