モータトラブルの中でも、突然停止や焼損につながる重大要因が絶縁劣化です。
「絶縁抵抗が低下していると言われたが、どこまで危険なのか分からない」「メガー測定の数値をどう判断すればいいのか迷う」このような悩みは現場でよくあります。
この記事では、モータの絶縁劣化とは何か、原因、測定方法、そして寿命判断の考え方をわかりやすく解説します。
モータの絶縁劣化とは?
モータの絶縁劣化とは、
巻線と鉄心、巻線同士の間を絶縁している材料の性能が低下する現象
を指します。
絶縁が劣化すると、漏れ電流や短絡が発生し、最悪の場合は焼損事故につながります。
絶縁劣化が起きる主な原因
絶縁劣化の原因は大きく分けて次の4つです。
- 熱(過熱運転)
- 湿気・結露
- 粉塵・汚れ
- 経年劣化
特に温度上昇の繰り返しは絶縁寿命を大きく縮めます。
インバータ駆動との関係
インバータ駆動では、
- 急峻な電圧変化(dv/dt)
- 高周波成分の影響
により、巻線絶縁へストレスが加わります。
古いモータをインバータ駆動に変更した場合、絶縁劣化が進行するケースもあります。
絶縁抵抗測定(メガー試験)とは?
絶縁状態を確認する代表的な方法が絶縁抵抗測定(メガー試験)です。
測定値が低下すると、絶縁劣化の可能性が高まります。
一般的な目安としては、
- 1MΩ未満:要注意
- 0.1MΩ未満:運転停止検討
ただし、電圧クラスや容量によって判断基準は変わります。
温度補正の重要性
絶縁抵抗値は温度の影響を受けます。
温度が高いほど抵抗値は低くなるため、測定時の温度を記録し、補正して判断することが重要です。
絶縁劣化が進むとどうなるか?
劣化が進行すると、
- 漏電ブレーカ作動
- 異常発熱
- 巻線短絡
- 焼損事故
といった重大トラブルにつながります。
予防策と延命対策
絶縁劣化を防ぐには、次の対策が有効です。
- 定期的な絶縁抵抗測定
- モータ清掃
- 過熱防止(適正容量運転)
- 湿気対策
予知保全の一環として、定期データ記録が重要です。
どんな設備で注意が必要か?
- 屋外設置モータ
- 湿気の多い環境
- 高温環境設備
- 長期間停止後の再起動機
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まとめ
モータの絶縁劣化は、突然の焼損事故につながる重大要因です。
- 過熱と湿気が主因
- 定期的なメガー測定が重要
- データ推移で寿命を判断
定期点検と記録管理が、突発停止を防ぐ最も確実な方法です。












