エアタンク(レシーバタンク)とは?仕組み・用途・種類・メーカーをわかりやすく解説

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エアタンク(Air Tank)またはレシーバタンク(Receiver Tank)は、コンプレッサで圧縮された空気を一時的に貯蔵し、圧力を安定化させるための装置です。

空気供給の変動を抑えるだけでなく、ドレン(水分)を分離・排出する役割もあります。

この記事では、エアタンクの仕組み・用途・種類・代表メーカーをわかりやすく解説します。




エアタンク(レシーバタンク)とは?(基礎知識)

エアタンクは、コンプレッサで作られた圧縮空気を一時的に貯めるための圧力容器です。

需要変動に応じて空気を出し入れし、供給圧力を安定化させる役割を持ちます。

また、タンク内で空気中の水分や油分が凝縮・沈降するため、ドレンの分離装置としても機能します。

一般的には、鋼製の円筒形タンクで、圧力計・安全弁・ドレン弁などの付属部品を備えています。

構造と仕組み

エアタンクの基本構造は以下の通りです。

  • 本体タンク:厚鋼板で製作された圧力容器。内部で圧縮空気を貯蔵。
  • 圧力計:内部圧力を常時監視。
  • 安全弁:過剰圧力時に自動開放して安全を確保。
  • ドレン弁:凝縮した水分を排出。
  • 点検口(マンホール):内部清掃・検査用。

コンプレッサから供給された空気はタンクに一旦蓄えられ、圧力の変動を吸収して安定した圧縮空気が下流へ送られます。

同時に、タンク内の空気が冷却されることで水分が凝縮し、下部のドレンとして分離されます。

エアタンクの役割

  • ① 圧力の安定化:コンプレッサの起動・停止頻度を減らし、設備全体の圧力変動を吸収。
  • ② ドレン分離:冷却により空気中の水分を凝縮・沈降させる。
  • ③ 瞬時供給:大量エアを一時的に使用する工程に対応。
  • ④ 安全対策:安全弁で異常圧力を防止。
  • ⑤ エネルギー効率向上:コンプレッサの無駄な運転を抑制。

エアタンクの種類

① 立型タンク(縦型)

設置スペースが小さく、省スペースでドレン排出も容易。工場設備・コンプレッサ直下に最も一般的に使用されます。

② 横型タンク(横置き)

天井の低い場所やライン途中に設置しやすい。安定性が高く、大容量タンクに向いています。

③ ステンレス製タンク

腐食環境や高品質エアを求める用途に使用。食品・医薬・電子分野で採用。

④ 高圧タンク/低圧タンク

使用圧力に応じて材質・板厚・構造が異なります。一般的な工場空圧ラインでは0.98MPa以下が主流です。

用途

  • コンプレッサとエアラインの間の圧力安定化
  • 多台数の空圧機器を使用するFAラインのエア貯蔵
  • 大型消費エア装置(ブロー・洗浄・搬送)の瞬時供給
  • ドレン分離・水分除去装置としての利用
  • 非常用エア源・バックアップタンク

選定のポイント

  • 必要空気量(L)と使用圧力(MPa)
  • タンク容量(コンプレッサ能力の1/10〜1/6程度が目安)
  • 設置スペース(立型/横型)
  • ドレン排出方式(手動/自動)
  • 法規対応(第一種圧力容器/小型圧力容器)

主なメーカーと特徴

オリオン機械株式会社(ORION)

冷凍式ドライヤ・コンプレッサと組み合わせた高耐久エアタンクを提供。
省エネ・防錆性能に優れる。
公式サイトはこちら

アネスト岩田株式会社(ANEST IWATA)

空圧機器総合メーカーとして、圧力容器規格対応のタンクを多数展開。ステンレス製・防錆塗装仕様も豊富。
公式サイトはこちら

日立産機システム株式会社

コンプレッサに最適化された高耐圧レシーバタンクを展開。メンテナンス性に優れる構造。
公式サイトはこちら

三井精機工業株式会社

高圧・大容量タンクをラインアップ。省エネ制御・自動ドレン付きモデルを提供。
公式サイトはこちら

日東工器株式会社

小型設備・実験装置向けエアタンクを展開。軽量・高信頼性でメンテが容易。
公式サイトはこちら

メーカー比較表

メーカー 主力製品 特徴 主な用途
オリオン機械 ATシリーズ 防錆・省エネ・高耐久 一般工場・FAライン
アネスト岩田 AT・ASTシリーズ 圧力容器規格対応・多サイズ展開 工場空圧設備
日立産機 HTシリーズ 高信頼・メンテ容易 産業空調・空圧ライン
三井精機 Rシリーズ 高圧対応・自動ドレン付き 大型FA設備
日東工器 STシリーズ 小型・軽量設計 実験・研究機器

購入先・通販サイト

Q&A

Q. エアタンクは必ず必要ですか?

A. 小規模な単独コンプレッサでは不要な場合もありますが、
多数の空圧機器を同時使用する場合や、圧力変動が大きい環境では必須です。

Q. タンク内のドレンはどう処理すべき?

A. 手動または自動ドレンバルブで定期的に排出します。
ドレンが溜まると腐食や配管汚染の原因になります。

Q. エアタンクは法令に該当しますか?

A. 一定容量・圧力を超えるものは「高圧ガス保安法」や「労働安全衛生法(圧力容器)」の対象となり、
検査・表示義務が発生します。

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