ツールホルダーとは?種類と選び方を徹底解説【工具交換・加工精度の鍵】

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ツールホルダー(Tool Holder)は、マシニングセンタやフライス盤などの工作機械で、切削工具を主軸に取り付けるための重要な部品です。

加工精度や仕上がり、工具寿命に大きく影響するため、適切な種類と仕様の選定が欠かせません。

この記事では、ツールホルダーの基本構造・種類・選び方・代表メーカーについて詳しく解説します。




ツールホルダーとは?(基礎知識)

ツールホルダーは、切削工具(エンドミル・ドリル・リーマなど)を機械主軸に取り付けるための保持具です。

工具と主軸を確実に固定し、加工時の回転ブレを抑えることで高精度な切削を実現します。

ホルダーの剛性やバランスが悪いと、工具摩耗や仕上げ精度に悪影響を及ぼすため、用途に応じた適切な選定が求められます。

ツールホルダーの構成

  • シャンク部:主軸側に装着される部分。BT・HSK・NTなどの形状規格があります。
  • チャッキング部:切削工具を固定する部分。コレットチャック・ミーリングチャックなどがあります。
  • プルスタッド:マシニングセンタにホルダーを引き込むためのねじ付き部品。

ツールホルダーの主な種類

1. コレットチャックホルダー

最も一般的なタイプ。コレットスリーブで工具を締め付ける方式で、汎用性が高く、ドリルやエンドミルなどに広く使用されます。代表規格:ERコレット、DAコレットなど。

2. ミーリングチャック

高い把握力と剛性を持つタイプで、重切削や高送り加工に適しています。振れ精度も良好。
エンドミルなどの高負荷加工に使用されます。

3. 油圧チャック(ハイドロチャック)

内部の油圧で工具を均一に締め付けるタイプ。振れ精度が非常に高く、仕上げ加工や高精度加工に最適。工具交換もワンタッチで簡単です。

4. シュリンクチャック(熱収縮チャック)

加熱によってホルダーの内径を広げ、工具を差し込んで冷却収縮させる方式。高い剛性・同心度を実現し、ハイエンドな高精度加工に用いられます。

5. タップホルダー

ねじ立て加工(タップ加工)専用のホルダー。スリップ防止機構や伸縮補正機構を備えたタイプもあります。

6. ドリルチャックホルダー

一般的なドリルをワンタッチで着脱できるホルダー。キーレス式やMTシャンク式などがあります。

主なシャンク規格

  • BTシャンク:日本で最も普及しているテーパー規格。バランスが良く高い剛性を持ちます。
  • HSKシャンク:欧州規格。短テーパーで高精度・高回転対応。主軸との接触面が広く、剛性に優れます。
  • NTシャンク:旧来の汎用規格。主に汎用フライス盤などで使用されます。

ツールホルダーの選び方

  • 加工内容に応じた剛性・振れ精度のバランスを確認
  • 主軸テーパー規格(BT・HSKなど)との適合性
  • 工具径とチャック範囲の一致
  • 工具交換の頻度に応じた利便性(油圧式・コレット式など)
  • 高回転加工ではバランス補正済ホルダーを選定

代表的なツールホルダーメーカーと特徴

BIG DAISHOWA(ビッグ大昭和精機)

国内トップクラスのツールホルダーメーカー。高精度・高剛性のチャック製品が豊富。
公式サイトはこちら

NTツール株式会社

BT・HSK規格を中心に幅広いホルダーを製造。重切削用から高精度仕上げ用まで対応。
公式サイトはこちら

日研工作所(NIKKEN)

油圧チャック・ミーリングチャックの分野で世界的評価を持つメーカー。高剛性ホルダーが特徴。
公式サイトはこちら

サンドビック(Sandvik Coromant)

切削工具とツールホルダーを一体で提案するグローバルメーカー。工具交換性と安定性が高い。
公式サイトはこちら

ミツトヨ(Mitutoyo)

精密測定機器で有名ですが、ツーリング系ホルダーの一部製品も展開。高精度設計で信頼性が高い。
公式サイトはこちら

メーカー比較表

メーカー名 主な特徴 代表製品例 対象ユーザー
BIG DAISHOWA 高精度・高剛性・幅広いラインアップ MEGAチャック、スリムチャック 一般加工〜高精度加工
NTツール 多様な規格対応・安定供給 BT/HSKホルダーシリーズ 量産・自動機対応
日研工作所 高剛性・油圧チャックに強み マイクロチャックシリーズ 精密加工現場
サンドビック 工具一体提案・グローバル対応 Coromant Captoシリーズ 総合加工メーカー
ミツトヨ 高精度・測定用治具と相性良好 精密ツールホルダー 研究開発・試作加工

導入時のポイント

  • 主軸規格と工具シャンク径の互換性を確認
  • 加工条件(回転数・送り・切削力)に応じた締付方式を選択
  • チャックのバランス等級(G2.5やG6.3)を確認
  • 使用頻度の高い工具はワンタッチ交換式を採用
  • メンテナンス性・清掃性も重要

WEBでの購入・比較

各種ツールホルダーは通販サイトでも幅広く販売されています。
Amazonでツールホルダーを探す
楽天市場でツールホルダーを探す
Yahoo!ショッピングでツールホルダーを探す



Q&A

Q. ツールホルダーの振れ精度はどれくらい?

A. 一般的なコレットチャックで5μm前後、高精度油圧チャックでは1〜2μmの振れ精度が得られます。

Q. 高速回転加工にはどのホルダーが向いていますか?

A. シュリンクチャックやバランス補正済みの油圧チャックが最適です。振動を抑え加工面の品質を維持します。

Q. ホルダーの定期メンテナンスは必要?

A. 必要です。内部の汚れや傷は振れの原因となるため、定期的な清掃と精度測定をおすすめします。

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