逆止弁(チェック弁)は、流体の逆流を防ぐために使用される基本的なバルブですが、選定時に見落とされがちなのがクラッキング圧です。
クラッキング圧を誤ると、流れない・圧力損失が大きい・装置が正常に動作しないといったトラブルにつながります。
この記事では、クラッキング圧の意味、必要性、設定目安、現場での注意点をわかりやすく解説します。
クラッキング圧とは?
クラッキング圧とは、
逆止弁が閉じた状態から、初めて開き始めるときに必要な最小圧力差
を指します。
完全に開いた状態ではなく、「弁が動き出す圧力」である点が重要です。
なぜクラッキング圧が必要なのか?
逆止弁は、ばね力や自重によって常に閉じる方向に力がかかっています。
- 逆流を確実に防ぐため
- 無圧時に弁を閉状態で保持するため
- 流体の振動・チャタリングを防止するため
この閉止力を超える圧力が、クラッキング圧です。
クラッキング圧が高すぎるとどうなる?
- 流体が流れ始めない
- 圧力損失が大きくなる
- シリンダ・モータの動作遅れ
- エネルギーロス増加
クラッキング圧が低すぎるとどうなる?
- 微小逆流が発生する
- 弁のチャタリング
- 振動・異音の発生
- シール部の早期摩耗
代表的なクラッキング圧の目安
用途によって、一般的な目安は以下の通りです。
| 用途 | クラッキング圧の目安 |
|---|---|
| 空圧回路 | 0.005~0.05 MPa |
| 油圧回路 | 0.05~0.3 MPa |
| 重負荷油圧 | 0.3 MPa以上 |
※必ずメーカー仕様を確認してください。
クラッキング圧と圧力降下の違い
混同されやすいポイントです。
- クラッキング圧:弁が開き始める圧力
- 圧力降下:流量が流れた状態での損失
クラッキング圧が低くても、流量が増えると圧力降下は大きくなる場合があります。
逆止弁選定時の注意点
- 最低使用圧力を下回らないか
- 流量条件での圧力降下
- ばね式かフリータイプか
- 設置方向(水平・垂直)
よくあるトラブル事例
- 低圧回路で弁が開かない
- チャタリングによる異音
- 圧力不足による装置停止
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まとめ
クラッキング圧は、逆止弁が正常に機能するための重要な設計条件です。
- 開き始めに必要な最小圧力
- 高すぎても低すぎてもトラブルの原因
- 回路条件に合った設定が必須
逆止弁トラブル時は、まずクラッキング圧を疑いましょう。












