フィルタエレメントとは?役割・寿命・交換タイミングをわかりやすく解説

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フィルタエレメントとは、エアフィルタ・油圧フィルタ・オイルフィルタなどの「ろ過装置の中心部品」で、流体中の異物を除去するための交換式カートリッジです。

エア源設備・油圧装置・潤滑ユニットなどでは、異物混入が故障原因の大半を占めるため、フィルタエレメントの適切な管理は設備の寿命と安定稼働に直結します。

この記事では、フィルタエレメントの役割、構造、寿命の目安、交換のタイミング、トラブル例までをまとめて解説します。



フィルタエレメントとは?

フィルタエレメントは、フィルタ本体の内部に取り付けられる「ろ材(メディア)」部分で、流体中のゴミ・錆・油分・水分などを捕捉して除去する役割を持ちます。

使用される設備の例:

  • コンプレッサ(エアラインフィルタ)
  • 空圧ユニット(FRL:フィルタ・レギュレータ・ルブリケータ)
  • 油圧ユニット(油圧フィルタ)
  • 潤滑ユニット(オイルフィルタ)
  • 切削油タンク(クーラントフィルタ)

フィルタエレメントは消耗品であり、品質を保つためには定期交換が必須です。

フィルタエレメントの主な種類

① エアフィルタエレメント

圧縮空気中の水分・油分・ダストを除去する用途。

特徴:

  • ミスト、油滴、粉じんの捕捉
  • 一般フィルタ、ミストフィルタ、マイクロミストフィルタなど用途別

② 油圧フィルタエレメント

油圧作動油中の鉄粉・磨耗粉・異物を除去。

特徴:

  • 10μm以下の微粒子を捕捉可能
  • 回路内の磨耗防止と油寿命延長に必須

③ オイルフィルタ/潤滑フィルタ

回転機械(ギヤ・ベアリング)の潤滑油をろ過。

特徴:

  • 油の酸化スラッジや摩耗粉を捕捉
  • 潤滑トラブルや焼付き防止に効果

④ クーラントフィルタ

切削油のスラッジや切り粉を除去。

  • 加工精度の維持
  • タンク汚れ・ポンプ詰まりの防止

フィルタエレメントの寿命(交換目安)

寿命は使用環境や汚れ具合によって変わりますが、一般的な目安は次の通りです。

種類 交換目安
エアフィルタ 6ヶ月〜1年
油圧フィルタ 1年または圧力差上昇時
潤滑オイルフィルタ 6ヶ月〜1年
クーラントフィルタ 汚れ量に応じて都度交換

特に重要なのは差圧(圧力損失)の増加です。

交換タイミングの判断基準

① 差圧(ΔP)の上昇

フィルタの入り口と出口の圧力差が大きくなると、エレメントが目詰まりしているサインです。

  • エアフィルタ:0.05〜0.1MPa上昇が目安
  • 油圧フィルタ:差圧スイッチやゲージで確認

② 流量の低下

流体が通りにくくなり、設備の動作が遅くなる。

③ エアミスト・油ミストの発生

ろ過能力が低下して汚れが通過すると、下流側の機器にダストや油が到達。

④ 汚れの付着・変色

エレメントが黒ずむ、スラッジが付着しているなど。

⑤ 定期交換サイクル

メーカー推奨の交換時期に合わせるのが最も確実です。



交換しないと発生するトラブル

  • 空圧機器の動作不良(スローダウン・誤動作)
  • 油圧ポンプ・バルブの磨耗・固着
  • 潤滑不足によるベアリング焼付き
  • コンプレッサのオイルキャリー増加
  • 加工精度低下(クーラント汚染)

フィルタエレメントの交換は、故障の“予防保全”の中で最も効果が高い項目です。

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まとめ

フィルタエレメントは、流体中の異物を除去し、空圧・油圧・潤滑・切削設備の安定稼働を支える重要な消耗部品です。

  • 6ヶ月〜1年が一般的な交換目安
  • 差圧の上昇・流量低下は交換サイン
  • 未交換は設備故障や加工不良の大きな原因
  • 定期点検と予防保全が最も効果的

設備の安定稼働には、フィルタエレメントの適切な交換管理が不可欠です。



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