油圧設備で発生する代表的なトラブルのひとつがキャビテーションです。
初期は音や振動程度ですが、放置するとポンプやバルブを急速に損傷させます。
この記事では、キャビテーションの発生原理、起きやすい条件、具体的な症状、現場でできる対策をわかりやすく解説します。
キャビテーションとは?
キャビテーションとは、
油圧油の圧力が局所的に低下し、油中に気泡(空洞)が発生・崩壊する現象
です。
この気泡が潰れる際に、非常に大きな衝撃圧が発生します。
なぜキャビテーションが起きるのか?
① 吸込み圧力の不足
ポンプ入口の圧力が蒸気圧以下になると気泡が発生します。
② 油温上昇
油温が高いほど蒸気圧が上がり、キャビテーションが起きやすくなります。
③ 流路抵抗が大きい
吸込配管が細い・長い・詰まっていると圧力損失が増加します。
キャビテーションが起きやすい箇所
- ポンプ吸込み側
- スロットル・絞り部
- 急激な流路変化部
- 高回転運転時のポンプ内部
キャビテーションの主な症状
- ガラガラ・ジャリジャリという異音
- 振動の増加
- 圧力の不安定化
- ポンプ効率の低下
- 金属表面のピッティング(孔食)
放置するとどうなる?
- ポンプ内部の損傷
- バルブ・配管の浸食
- 油圧性能の急激な低下
- 設備停止・高額修理
キャビテーション対策の基本
① 吸込配管の改善
- 配管径を太くする
- 配管を短く・直線的に
② フィルタ・ストレーナ管理
目詰まりを防ぎ、吸込抵抗を低減。
③ 油温管理
冷却器の点検・適正油温の維持。
④ 回転数の適正化
過回転はキャビテーションを助長。
⑤ 油面高さの確保
タンク油面を適正範囲に保つ。
NPSHとキャビテーションの関係
キャビテーションはNPSH(有効吸込みヘッド)不足で発生します。
- NPSH available(装置側)
- NPSH required(ポンプ要求値)
NPSHa > NPSHr を必ず満たす必要があります。
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まとめ
キャビテーションは、油圧設備にとって致命的な現象です。
- 吸込み圧力不足が最大原因
- 異音・振動は初期警告サイン
- 配管・油温・回転数管理が重要
早期対策により、ポンプ破損と設備停止を防ぐことができます。












