PLCのラダー図を学ぶと必ず登場するのが自己保持回路です。
スタートボタンを離しても動作が継続する仕組みは、多くの設備で使われています。
この記事では、自己保持回路の意味、動作原理、基本回路例、安全設計上の注意点を、初心者でも理解できるように解説します。
自己保持回路とは?
自己保持回路とは、
一度ONした出力を、自分自身の接点でONし続ける回路
です。
「ラッチ回路」「保持回路」とも呼ばれます。
なぜ自己保持が必要なのか?
押しボタンは通常、押している間しかONしません。
自己保持を使うことで、次のような動作が可能になります。
- スタートボタンを離しても運転継続
- 停止指令が出るまで動作維持
- 人の操作負担を軽減
自己保持回路の基本構成
最も基本的な構成は以下の通りです。
- スタートスイッチ(a接点)
- ストップスイッチ(b接点)
- 出力(コイル)
- 出力の自己保持接点
動作の流れ
- スタートスイッチON
- 出力コイルON
- 自己保持接点ON
- スタートを離してもON維持
- ストップスイッチONで解除
ラダー図での代表的な書き方
- 自己保持接点はスタート接点と並列
- ストップ接点は直列に配置
これが最も一般的な構成です。
自己保持回路のメリット
- シンプルで理解しやすい
- PLC負荷が小さい
- 多くの設備で標準的
自己保持回路の注意点
- 非常停止は別回路で確実に遮断
- 電源復帰時の再起動防止
- 二重保持にならないよう注意
電源投入時の挙動(リセット設計)
自己保持回路は、PLC電源OFFで解除されます。
- 再起動時はOFFスタートが基本
- 意図しない再始動防止が重要
SET/RESET命令との違い
| 項目 | 自己保持 | SET/RESET |
|---|---|---|
| 可視性 | 高い | やや低い |
| 動作理解 | 直感的 | 慣れが必要 |
| 用途 | 単純保持 | 複雑制御 |
現場でよくあるミス
- ストップ接点の入れ忘れ
- 非常停止を論理だけで処理
- 複数箇所での自己保持競合
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まとめ
自己保持回路は、PLC制御の最も基本で重要な回路です。
- ON状態を維持する仕組み
- 安全回路とは分離して設計
- シンプルだが誤用は危険
正しく使うことで、安全で分かりやすい制御が実現します。












