ころがり軸受と滑り軸受の違い|構造・特徴・用途をわかりやすく解説

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軸受(ベアリング)は、回転する軸を支えるための重要な機械要素です。

軸受は大きく「ころがり軸受」と「滑り軸受」に分かれ、構造・寿命・用途が大きく異なります。

この記事では、両者の違い、メリット・デメリット、適した用途までわかりやすく解説します。



ころがり軸受とは?

ころがり軸受(Rolling Bearing)は、ボールやローラなどの転動体が転がることで軸を支える軸受です。

特徴

  • 摩擦が小さい(転がり摩擦)
  • 起動トルクが小さく、軽い力で回転する
  • 高速回転に強い
  • 寸法・規格が統一されており交換が容易

主な種類

  • 深溝玉軸受
  • 円筒ころ軸受
  • アンギュラ玉軸受
  • 円すいころ軸受

メリット

  • 摩擦が非常に小さい
  • 効率が良く省エネ
  • 組付けが簡単
  • ラインナップ豊富、入手しやすい

デメリット

  • 衝撃・偏荷重に弱い
  • 騒音・振動を拾いやすい
  • 高温環境では寿命が短い

滑り軸受とは?

滑り軸受(Sliding Bearing)は、軸と軸受面がすべり(流体潤滑など)で滑ることで支える軸受です。

特徴

  • 構造がシンプル
  • 高荷重に強い
  • 振動・衝撃を吸収しやすい
  • 潤滑状態を適切に保つ必要あり

主な種類

  • すべり軸受(ブッシュ、高荷重用メタル)
  • 流体動圧軸受
  • 静圧軸受

メリット

  • 高荷重に対応
  • 騒音・振動に強い
  • 高速でも高剛性を維持できる(油膜)

デメリット

  • 潤滑が必須(油切れで焼き付き)
  • 摩擦損失がころがり軸受より大きい
  • 回転開始時の摩擦が高い



ころがり軸受と滑り軸受の違い(比較表)

項目 ころがり軸受 滑り軸受
摩擦 小さい(転がり摩擦) やや大きい(すべり摩擦)
寿命計算 容易(L10寿命) 条件により大きく変動
荷重 中荷重向け 高荷重に強い
騒音 やや大きい 静か
回転速度 高回転に強い 超高速は油膜次第
潤滑 グリースで簡単 油潤滑が必須
メンテナンス 交換が容易 定期給油など手間あり

用途での選び方

ころがり軸受が向く装置

  • 一般モータ
  • ファン・ブロワ
  • 搬送装置
  • 産業用ロボット
  • 一般回転機械

滑り軸受が向く装置

  • 高荷重の大型機械
  • コンプレッサ
  • タービン
  • エンジンのクランク軸
  • 高速主軸(油膜軸受)

判断のポイント

速度・荷重・潤滑条件で選ぶのが最重要です。

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まとめ

ころがり軸受と滑り軸受は、摩擦・寿命・構造・用途が大きく異なります。

  • ころがり軸受:低摩擦・高速・交換容易
  • 滑り軸受:高荷重・低騒音・油潤滑が重要
  • 速度・荷重・潤滑条件で最適な軸受が変わる

正しい軸受選定は、機械の寿命と性能を大きく左右します。



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