歯付きベルト(タイミングベルト)は、滑りがなく正確な位置決めが可能な伝動方式ですが、実際にはバックラッシュ(遊び)がゼロではありません。
この記事では、歯付きベルトにおけるバックラッシュの正体、発生原因、位置決め精度への影響、低減方法をわかりやすく解説します。
歯付きベルトのバックラッシュとは?
歯付きベルトのバックラッシュとは、
ベルト歯とプーリ歯の間に生じる隙間や弾性変形による位置の遅れ
を指します。
金属歯車のような「ガタ」ではなく、”噛合すきま+ゴムの弾性”が主因です。
なぜ歯付きベルトでもバックラッシュが発生するのか?
① 歯形のクリアランス
完全な密着ではなく、干渉を避けるための隙間があります。
② ベルトの弾性変形
荷重変動で歯がたわみ、遅れが生じます。
③ 張力不足
初期張力が不足すると噛合遅れが増加します。
位置決め精度への影響
- 正逆転時の位置ズレ
- 微小送りの再現性低下
- 停止位置のばらつき
特に、**繰返し位置決め精度**に影響します。
歯車のバックラッシュとの違い
| 項目 | 歯付きベルト | 歯車 |
|---|---|---|
| 主因 | 弾性変形 | 歯間すきま |
| 完全ゼロ | 不可 | ほぼ可能 |
| 振動 | 少ない | 出やすい |
バックラッシュを低減する方法
① 張力を適正化する
初期張力管理が最重要。
② 高剛性ベルトを選ぶ
ガラス繊維・スチールコード入り。
③ プーリ径を大きくする
噛合歯数を増やす。
④ 両持ち駆動を採用
バックラッシュを相殺。
歯付きベルトが向いている用途
- 中精度の位置決め装置
- 高速・低騒音用途
- 長ストローク搬送
高精度用途では何を選ぶ?
- ボールねじ
- ラック&ピニオン
- サーボモータ直結
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まとめ
歯付きベルトでもバックラッシュは避けられません。
- 弾性変形と歯形すきまが原因
- 張力管理で影響を最小化
- 用途に応じた機構選定が重要
精度要求に応じて、適切な伝動方式を選びましょう。












