制御盤とは?構成要素・図記号の基礎・役割をわかりやすく解説

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制御盤とは、機械や装置を安全かつ自動で動かすために必要な電気制御機器をまとめて収納した箱(パネル)のことです。

工場の自動機・生産ライン・搬送設備など、ほぼすべての産業機械には制御盤が存在し、PLC・電源・リレー・ブレーカー・インバータなど、多くの機器が集約されています。

この記事では、制御盤の役割、構成部品、代表的な図記号(シンボル)、保守のポイントをわかりやすく解説します。



制御盤とは?

制御盤は、機械装置の制御・監視・電源供給を行う電気設備で、内部には次の機器が収納されています。

  • PLC(シーケンサ)
  • 電源ユニット
  • ブレーカー・漏電遮断器
  • リレー・タイマ
  • I/O端子台
  • インバータ・サーボドライバ
  • ネットワーク機器(スイッチングハブなど)

制御盤は装置を安全に動かす「頭脳+心臓部」と言える存在です。

制御盤の役割

制御盤の主な役割は次の 4 点にまとめられます。

  • 機械を自動制御する(PLC・リレー制御)
  • 電源を各機器に安全に供給する(電源回路)
  • 装置の異常を検知する(保護・監視)
  • 操作入力を受け付け、装置の状態を表示する(HMI)

制御盤の基本構成

① 主回路(パワー回路)

モーター・ヒーター・ポンプなどの電力を扱う回路です。

主な部品:

  • 漏電遮断器(ELB)・配線用遮断器(MCCB)
  • マグネットコンタクタ
  • サーマルリレー
  • インバータ・サーボドライバ

② 制御回路

PLC・リレー・タイマを使い、機械の動作順序(シーケンス)を決める部分です。

③ 信号回路(I/O)

センサ・スイッチ・ランプなどの信号をやり取りする回路。

④ 通信回路

Ethernet/RS-485/CC-Link などによる機器間ネットワーク。

制御盤で使われる代表的な図記号

機器 図記号の例 意味
ブレーカー □+スイッチ線 配線保護
リレー コイル(○)+接点記号 ON/OFF制御
押しボタンスイッチ | | または |/| 押すとON/押すとOFF
センサ 四角+出力線 検出信号を出す
電源 + − 記号 24VDCや100VACなど

図記号は JIS 規格(JIS C 標準)に基づいて記載されます。



制御盤の内部レイアウトのポイント

  • 電源・ノイズ源(インバータ、SSR)は左側
  • PLC・通信機器は中央または右側
  • I/O端子台は下段に横並び
  • 200V系と24VDC系を分離
  • 信号線と電力線はできる限り離す

良い制御盤は「見やすい・追いやすい・直しやすい」が基本です。

制御盤のトラブルと対策

  • 接触不良: 端子台のゆるみ、リレー接点の劣化
  • 絶縁劣化: 油・湿気による影響
  • ノイズ: インバータ・モーターケーブルの誘導
  • 温度上昇: 放熱不足、ファン故障

対策:

  • 定期的な端子締め付け
  • 盤内温度の測定(サーモグラフィ)
  • ノイズ対策ケーブルの使用
  • フィルタ・ファンの清掃

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まとめ

制御盤は、工場設備を自動で動かすための「電気制御の中心部」です。

  • PLC・電源・リレー・インバータなどの機器を集約
  • 主回路・制御回路・信号回路・通信回路で構成される
  • 図記号を理解すると電気図面の読み取りが容易に
  • 定期点検と端子締めで多くのトラブルを予防できる

制御盤の基礎を理解することで、装置の構造・トラブル原因・改善点をより正確に把握できるようになります。



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