エロージョンとは?流体衝突で起きる摩耗の仕組みと対策をわかりやすく解説

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エロージョン(Erosion)とは、**流体に含まれる固体粒子や液滴が高速で衝突することで発生する表面摩耗**のことです。

ポンプ、配管、バルブ、タービンなど、流体機器で頻繁に問題となり、長期間放置すると深い損傷や漏れにつながります。

この記事では、エロージョンの発生メカニズム、原因、代表的な発生箇所、対策をわかりやすく解説します。



エロージョンとは?

エロージョン(Erosion)は、

流体中の固体粒子・液滴が高速で物体表面に衝突し、表面が少しずつ削られる摩耗現象

のことです。

特徴として、

  • 衝突角度によって摩耗形状が変わる
  • 材料が塑性変形しながら削られる
  • 初期損傷は浅いが、進行すると急激に悪化する
  • 高速流・乱流域・方向変換部で起きやすい

流体が関わる摩耗の中でも最も多くの設備で見られる現象です。

エロージョンが起きるメカニズム

エロージョン摩耗は次の要素によって発生します。

① 粒子が表面に高速衝突する

砂、スケール、金属片など。

② 衝突角度による摩耗モードの違い

  • 小角度(浅い角度) … すり削る摩耗(アブレシブ)
  • 90°に近い角度 … 表面を叩きつける損傷(塑性変形)

③ 繰り返し衝突で表面層が剥離

疲労的に進行することも多い。



エロージョンが発生しやすい場所

配管のエルボ(曲がり)

流れ方向が急変するため粒子が壁に衝突しやすい。

ポンプの羽根(インペラ)

高速回転により水滴・砂が衝突し摩耗。

バルブシート

開閉時に流速が上がり摩耗が進行。

タービンブレード

蒸気中の水滴や固体が衝突して損傷。

スラリー移送設備

鉱物粒子を運ぶ設備では常に発生しやすい。

エロージョン摩耗の特徴

特徴 内容
摩耗の形状 えぐれた形、方向性のある傷
摩耗速度 流速に強く依存(2〜3乗で増加)
発生箇所 曲がり、絞り、開口部など
影響因子 流速、粒子硬度、濃度、衝突角

エロージョンを防ぐ方法

① 流速を下げる(最も効果大)

エロージョン速度は流速の2〜3乗に比例。

② 異物混入を防ぐ(フィルタ・ストレーナ設置)

粒子を減らすことが摩耗対策の基礎。

③ 高耐摩耗材料への変更

ステライト、超硬、セラミックなど。

④ 内面コーティング

エポキシ樹脂、ゴムライニング、セラミック溶射。

⑤ 配管設計の改善

急激な方向転換・絞りを避ける。

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まとめ

エロージョンは、流体中の固体粒子や液滴が高速衝突して発生する摩耗で、特に流速が高い設備や曲がり部で多く見られる現象です。

  • 粒子衝突により表面が削られる摩耗
  • 配管エルボ・ポンプ羽根・バルブで多発
  • 流速・粒子硬度・濃度・角度が影響因子
  • 対策は「流速低減」「異物除去」「耐摩耗材料」

放置すると重大損傷につながるため、早期発見と適切な対策が重要です。



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