ゴーギングとは?塑性変形を伴う摩耗の仕組みと発生原因をわかりやすく解説

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ゴーギング(Gouging)とは、**固い異物や鋭利な相手材が接触面を削り取るようにして発生する、深い傷を伴う摩耗損傷**を指します。

通常の摩耗よりも「えぐれたような大きな損傷」が特徴で、流体設備、鉱山機械、搬送設備、回転部品などでしばしば問題になります。

この記事では、ゴーギング摩耗の特徴、原因、発生例、対策をわかりやすく整理します。



ゴーギングとは?

ゴーギング(Gouging)とは、

固い粒子・異物・鋭利な相手材が接触面を強くこすり、塑性変形を伴いながら削り取られる摩耗

のことです。

特徴としては、

  • えぐれたような深い傷(溝)ができる
  • 表面がめくれ上がったり、変形が見られる
  • 硬い異物の混入時に発生しやすい
  • 非常に短時間で大きな損傷につながる

一般的な摩耗(滑り摩耗・疲労摩耗)とは性質が大きく異なります。

ゴーギング摩耗の発生メカニズム

ゴーギングが発生する典型的な状況は次の通りです。

① 硬い異物が介在する

砂、鉱石、金属片などが接触部に入り込み、表面を削り取る。

② 接触相手が高硬度

相手材が相対的に硬いと、柔らかい側が深く削られる。

③ 高荷重・高衝撃

衝撃荷重や瞬間的な高荷重が加わると塑性変形が発生しやすい。

④ 潤滑不足

油膜が形成されていないと、固体同士が直接接触して損傷が加速する。



ゴーギングが発生しやすい機械・部位

● ポンプ・バルブ内部

固形物の混入により羽根やシートが削られる。

● コンベア設備

金属片・鉱石などが衝突して傷が入る。

● ギア・スプロケット

異物噛み込みにより歯が深く損傷。

● スライド面・ガイドレール

砥粒が介在すると深い溝ができる。

● 建機・鉱山機械の摺動部

土砂の摩耗によって大きなえぐれが発生。

ゴーギング摩耗と他の摩耗の違い

摩耗種類 特徴
ゴーギング摩耗 深い溝・塑性変形・異物による大損傷
アブレシブ摩耗 研磨紙のように表面を細かく削る
アデッシブ摩耗 摩擦溶着による「凝着・引きちぎり」
フレッティング摩耗 微小振動による酸化摩耗

ゴーギング摩耗が引き起こす問題

  • 短時間で大きな損傷が発生
  • 部品交換頻度の増加
  • 漏れ・圧力低下・性能劣化
  • 異常振動・騒音
  • 装置停止や生産ロス

ゴーギング摩耗を防ぐ方法

① 異物混入を防ぐ(最重要)

  • フィルタ設置
  • ストレーナ清掃
  • シール改善

② 高硬度材に変更する

  • 焼入れ鋼
  • 耐摩耗鋼
  • 炭化物コーティング

③ 潤滑改善

油膜不足は損傷を急速に拡大させる。

④ 接触面圧を下げる

面積を広げる設計が有効。

⑤ 衝撃荷重を減らす

緩衝材やダンパの導入が効果的。

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まとめ

ゴーギング摩耗は、固い異物や鋭利な物体が接触部をえぐるように削ることで発生する、深刻な摩耗損傷です。

  • 異物が主原因の塑性変形を伴う摩耗
  • 短時間で大きな損傷が出るのが特徴
  • ポンプ・ギア・搬送設備で多発
  • 硬度の高い材質・潤滑改善・異物防止が有効な対策

設備の信頼性維持のため、異物管理と摩耗対策は欠かせません。



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