サーボゲインとは?種類・役割・調整で変わる動作特性をわかりやすく解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

サーボゲイン(Servo Gain)とは、サーボモータ制御において、指令値と実際の動作のずれ(偏差)をどれだけ強く補正するかを示すパラメータです。

ゲイン調整は、ロボット・搬送装置・位置決め機構の性能を左右する「必須のチューニング項目」です。

この記事では、サーボゲインの種類、動作の変化、調整のコツを初心者でも理解できるように解説します。



サーボゲインとは?

サーボゲインとは、サーボモータが「位置ずれ・速度ずれ」をどれだけ強く補正するかを決めるパラメータです。

ゲイン = 補正の強さ

→ 高いほどキビキビ動く

→ 低いほどゆったり動く

サーボ制御は基本的にPID制御で構成されます。

Pゲイン(比例)

ズレに比例して補正する力。

Iゲイン(積分)

ズレが残らないように累積で補正する。

Dゲイン(微分)

動きの変化を減衰させ、オーバーシュートを抑える。

ゲインが高いとどうなる?

メリット:

  • 追従性が高い
  • 位置決め時間が短い
  • レスポンスが向上

デメリット:

  • 振動しやすい
  • オーバーシュートが増える
  • 異音や発熱の原因になる

ゲインが低いとどうなる?

メリット:

  • 動作が安定しやすい
  • 振動や共振が少ない

デメリット:

  • 反応が鈍くなる
  • 位置決め時間が長くなる



サーボゲインの種類(代表的)

① 位置ゲイン(Position Gain)

位置のズレをどのくらい強く補正するか。

→ 高いほど位置決めが速くなる。

② 速度ゲイン(Velocity Gain)

速度のズレをどれだけ強く補正するか。

→ 動きの滑らかさに影響。

③ フィードフォワードゲイン(FF)

指令値の変化に先回りして補正する。

→ 高速・高精度の装置で重要。

実務でのゲイン調整の手順

① 速度ゲインから上げる(基本)

・動作を見ながら少しずつ上げていく
・振動が出たら下げる

② 次に位置ゲインを上げる

・位置決め時間が短くなる
・ただし振動が出やすい

③ 微調整で微分ゲインを追加

・オーバーシュートを抑える
・過剰に入れるとノイズが増える

④ フィードフォワードで仕上げる

・高速応答のラインでは重要

サーボゲインが合っていないと起きる症状

  • ビビり音・異音(高すぎ)
  • ガタつき(低すぎ)
  • オーバーシュート(Pゲイン過剰)
  • 立ち上がりが遅い(ゲイン不足)
  • 発熱増加(高すぎ)

用途別の推奨傾向

用途 推奨ゲイン傾向
搬送装置 中〜やや高め
精密位置決め(半導体・検査) 高め+FF調整
アームロボット 中程度(安定性重視)
重負荷の押し付け制御 低め

関連記事

関連書籍

まとめ

サーボゲインは、サーボモータの動作を決める最重要パラメータです。

  • ゲイン=補正の強さ
  • 高いと速く反応、低いと安定する
  • 速度→位置→微分→FFの順に調整
  • 振動・発熱・遅れはゲイン不適合のサイン

正しいゲイン設定により、速度・精度・安定性を最大限に引き出すことができます。



  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

DIYにおすすめの主要ECサイト比較

生産財や副資材、消耗品、交換部品など、

近年では、インターネットで何でも購入できる時代になりました。

そんなECサイトをまとめた記事を公開中!

是非、参考にしてみてください。


DIYにおすすめの主要ECサイト比較へ