端子台(Terminal block)は、電線と電線、または電線と機器を安全かつ確実に接続するための配線部品です。
電気盤・制御盤・機械装置のほぼすべてで使用され、配線の整理・拡張・保守性を大幅に高める役割を担います。
この記事では、端子台の仕組み、種類、結線方法、電気盤での役割、選定ポイントをわかりやすく解説します。
端子台とは?
端子台は、電線を確実に接続するための電気配線部品で、電気盤内の標準部品として使用されています。
役割:
- 電線同士の接続
- 配線の整理・保守性向上
- 電流容量に応じた安全な分岐
- 信号線・電源線の中継
- 盤内機器の交換・増設を容易にする
端子台の構造
一般的な構造は以下の通りです。
- 端子ブロック本体(樹脂)
- 金属端子(銅・真鍮)
- クランプねじ
- DINレール取付具
- 仕切り板・エンドプレート
これらを組み合わせてモジュール化できる点が特長です。
端子台の種類
① ネジ式端子台(スクリュー式)
最も一般的。
- 電源配線
- 制御信号
- 設備の標準構成
② プッシュイン式(工具不要)
電線を差し込むだけで固定。
- 配線工数を削減
- 振動に強い
③ バリア端子台
端子間に仕切り付きで短絡しにくい。
- 200V/400V 電源ライン
④ 大電流端子台
電流容量が大きいケーブル向け。
- 主回路用
- モータ電源
⑤ フューズ付き端子台
- 過電流保護
- 装置保護に便利
⑥ 接地端子台(アース端子)
緑色の本体で、盤内のアース接続に使用。
端子台の結線方法
① 圧着端子を使用する
- R形(丸端子)
- Y形(クランプ式)
- E形(棒端子)
圧着端子を使うことで確実な電気接続が可能。
② 裸線を直接挟む(スクリュー式の一部)
- 低電流
- 簡易配線
ただし、振動には弱い。
③ プッシュイン式への差し込み
- 工具不要
- スピーディな配線
- 振動に強い
電気盤での端子台の役割
- 盤のレイアウトを標準化
- 配線を整然と並べ、トラブル時の追跡が容易
- 機器交換・増設の簡易化
- 高電圧と低電圧の区分がしやすい
- 盤外部への出力を集約できる
選定ポイント
- 電流容量(A)
- 端子ピッチ
- ネジ式 or プッシュイン
- 極数(2、3、10、20 極など)
- 使用環境(温度、油、振動)
- 配線太さ(mm²)
よくあるトラブル
- ネジゆるみ → 定期増し締めで対応
- 結線ミス → 盤面表示・結線番号で防止
- 焼損 → 過電流・端子劣化
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まとめ
端子台は、電気盤・制御盤の配線を安全かつ整然と管理するための必須部品です。
- ネジ式・プッシュイン式など種類が豊富
- 電流容量・線径・極数で適切に選定する
- 配線品質と保守性を大幅に改善する
電気盤構築の基礎として欠かせない要素です。












